内容説明
本巻では、’91年に被害者の声があがるまでそれが性暴力であり国家による戦争犯罪であるとされてこなかった「慰安婦」制度、また当時から犯罪行為とされていながらも頻発した戦場強かんが起こる構造を、軍隊組織、兵士の精神構造から分析し、戦争責任・戦後責任をジェンダー・民族の視点から問う。
目次
第1部 軍隊と加害の精神構造(天皇の軍隊の特色―虐殺と性暴力の原因;男性神話からみた兵士の精神構造;なぜ米軍は「従軍慰安婦」問題を無視したのか ほか)
第2部 天皇制と戦争責任(日本軍性奴隷制問題と天皇の戦争責任;仏教が支えた加害の責任;昭和天皇の戦争関与と“戦争責任”)
第3部 民族・ジェンダーの視点から問う戦後責任(「日本人としての責任」再考―考え抜かれた意図的怠慢;戦後日本のフェミニズムと「慰安婦」問題―メジャーとマイナーの結節点;戦争論・戦争責任論とジェンダー)