歴史の終わり〈上〉

歴史の終わり〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 332p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784837954798
  • NDC分類 209.7
  • Cコード C0030

内容説明

本書は論点にいささかの曖昧さ、不明な点がない。最近の歴史書にはめずらしく、プラトン、カントから始まり、ヘーゲル、マルクス、エンゲルス、ニーチェなどの大思想家たちをふまえ、重厚な歴史論を展開している。そして、われわれが今おかれている立場が歴史上でどのようなところにあるのか、またそこに生ずるこれからの問題は何かを実に明快に解き明かしている。

目次

第1部 なぜいま一つの歴史が終わりを告げるのか―世界史における歴史的「大転換」とその内部構造(20世紀がもたらした最大の「歴史的教訓」;「強国」の致命的弱点;あまりにも貧しすぎた「超大国」;「千年王国」の旗手)
第2部 幻想のうちに崩壊した「自由の王国」―ヘーゲルの予言はなぜマルクスよりも正確だったのか(人間にとって「普遍的な歴史」とは何か;歴史に見る人間の「欲望」のメカニズム;歴史は決して「逆流」しない;社会進歩のメカニズムと資本主義体制;自由市場経済の圧倒的勝利;民主主義の弱点・権威主義の美点;近代をのし歩いた「悪魔」;「自由の王国」のなかで)
第3部 歴史を前進させるエネルギー―「認知」を求める闘争と「優越願望」(はじめに「死を賭けた戦い」ありき;近代史に登場した「最初の人間」;共産主義がつきつけたファウスト的「交換条件」)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Francis

9
30数年ぶりに読んだ。日本ではこの本の評価は低そうだし、欧米社会でも「リベラル民主主義が完全に勝利したとは言えないのでは?」と言う疑問が突きつけれれているようだが、この本はその程度の扱いをするには惜しい本。どうして民主主義に代わりうる政治体制が今後現れないであろうと著者は予測するのか。それは人間が持つ「自尊心」を満たすことが出来るのが民主主義体制だから、と言うのが著者フクヤマさんの主張。ホッブス、ロック、カント、ヘーゲルに言及があり、啓蒙主義の集大成的な本を書くことをフクヤマさんは目指したのではないか。2023/08/15

ぼのまり

4
様々な本で参照されており、1度は読んでみようと思っていた1冊。プラトン、カント、マルクス、ニーチェなど著名な哲学者、思想家の智慧を引きながら、人類の歴史観を語っているため、参照している書籍を読んでから再読すると、本書の本質が見えてくるのかもしれない。感想は下巻を読んでから。2013/09/04

(ま)

2
31年積んでて改めて リベラルな民主主義への確固たる信念かな・・・トランプ以下は逆行であって進化ではない?2023/08/11

YayoiM

1
「民主主義・自由・平等・公平という概念は、西洋発祥だからといってその価値がいささかも傷つくことはないのよー」という、一時流行っていた文化相対主義への批判を込めて書かれた本。 そういう文脈で書かれたのだということを知っていなければ、「なんでこの人は一生懸命、『自由とか民主主義ってやっぱり素晴らしいんだよ!』なんて超当たり前のことをしつこく言ってるんだ?」という不可解な気持ちになるかもしれない。 現在は民主主義の古くて新しい問題として、「そこそこ経済的に満足した大衆社会で生まれる政治的無関心層が反政治層に2013/04/10

抹茶ケーキ

0
ソビエトの崩壊後の世界では、リベラル民主主義のみが唯一可能な政体になる。これが「歴史の終わり」である。なぜリベラル民主主義が安定しているかというと、その政体のみが「認知への欲望」を満足させてくれるから、つまり自尊心を満たしてくれるからである。社会科学・人文科学では悪名高い本だけど、そこまで荒唐無稽って感じはしないな。西欧至上主義が鼻につきはするけど。ヘーゲル+ニーチェって感じ。2017/05/28

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