内容説明
本書は、フランス人画家ビゴーが滞日中に描いたスケッチのなかから、女性をテーマにしたものを厳選し、明治の女性の一生を大観できるよう構成したものです。子守、ハイカラ、芸者…さまざまな姿の女性がビゴーの目を通して新鮮に描かれています。
目次
第1章 誕生から少女へ
第2章 娘そして恋
第3章 働く女性
第4章 妻そして母
第5章 上流社会
第6章 くつろぎ楽しむ女性たち
第7章 晩年そして死
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そうたそ
10
★★★☆☆ ビゴーは日本の女性をこよなく愛していたらしい。そのことが伝わってくるような絵の数々。外国からきて、日本の女性を好んでいたビゴーにだからこそ描ける絵であり、味わいがそこにある。風刺画で有名なビゴーであるが、本書に収録されている絵は必ずしも風刺を目的とした絵ばかりではない。有名なビゴーの風刺画の数々とは少々異なるタッチで描かれているものもあり、ビゴーの絵の幅の広さも十分に伺うことが出来る。明治という時代を当時の女性の姿から眺めるにも最適な一冊ではないだろうかと思う。2013/08/05
印度 洋一郎
3
明治の日本に滞在し、草創期の日本漫画に大きな影響を与えた風刺画家ジョルジュ・ビゴーが描いた"日本女性"のポートレイトの数々を収録。リアルな肖像画やスケッチもあれば、風刺雑誌に発表したカリカチュア画、今で言う「一コマ漫画」もある。様式的な日本の錦絵やとりすました写真には見られない、活き活きとした(生々しいとも言う)女性達の姿を、少女、妻、職業婦人、妾など色々な視点で登場するのが新鮮。芸者や遊女の画が多いのは、外国人と接触する事が多い職業だったからか。一番印象的なのは「自転車で疾走する新橋芸者の図」だった。2012/03/31