出版社内容情報
動的な読みの深みへいざなう、
新しい視点の作家・作品論集。
学術叢書
「作家論への架橋――“読みの共振運動論”序説――」
古閑 章 著
■A5判 上製函入 400頁
■本体6,400円
日本近代文学における12人の作家(詩人)・作品像を、
作品論から作家論への通路を模索し、分析・追及した論文
集。序章および終章に“読みの共振運動論”という新しい
概念を布置、研究主体の読みの問題を方法論的に煮詰めて
いく態度を積極的に表明した意欲作である。
“読みの共振運動論”とは作家や作品に対する読み手の
感動や反発という初発の火花を基点に動き出す読書行為論
であり、ダイナミックな精神の変貌過程を作家―作品―読
者という循環構造の関係性に見出そうとする永遠の精神運
動のことを言う。
本書は、従来とかく研究主体の生を棚上げにして展開さ
れがちであったスタティックな研究方法を、作家や作品の
変貌過程に見合う読み手の主体的立場に蘇らせることで、
動的な読みの共振運動の磁場に解放しようとする試みであ
る。
目次
序 章 近代文学研究のアポリア
――“読みの共振運動論”という概念装
置を視座として――
第一章 二葉亭四迷
――「浮雲」試論――
第二章 夏目漱石
――「我輩は猫である」への一視覚――
第三章 梶井基次郎 ――文学研究と文学教材
研究の視点から――
第四章 中原中也
――「一つのメルヘン」を読む――
第五章 谷川俊太郎 ――「六十二のソネット・
60」について――
第六章 上林 暁
――“内なる家郷”を視座として――
第七章 宗 不旱
――芸術と実生活――
第八章 梅崎春生
――「桜島」と「蜆」と梶井基次郎――
第九章 火野葦平
――「ある詩人の生涯」論――
第一〇章 福永武彦
――「廢市」の世界――
第一一章 木下順二
――「本郷」と夏目漱石「三四郎」――
第一二章 耕 治人
――“母なるもの”を中心に――
終 章 結 語
――“作家論”への架橋――
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