出版社内容情報
沖縄の自然環境をとりまく最新の状況を、地元在住の第一線の研究者16名が分析・解説する。
生態系の問題から赤土汚染や基地と環境の問題、住民運動までをカバーした。
好評の旧版「ニライ・カナイの島じま」の全面改訂版。
■中村透氏(作曲家)=沖縄に研究拠点を置く15人の論考は単に科学的な知見にとどまらず沖縄の自然保護運動のこの十年間の軌跡をもたどっている。国際都市形成、普天間基地の返還問題という政治課題を抱えている今の沖縄に、歴史的判断の冷静な一視点を与える格好の書であろう。
【内容紹介】本書「あとがき」より
本書の初版「ニライ・カナイの島じま」が出版されたのは、今から九年前の1988年だった。初版は3刷まで発行したが、事態が変化し内容が合わない部分がいくつか出てきて絶版状態にあった。
10年前から現在まで、初版で指摘した沖縄の自然環境はさらに悪化している。貯水量はわずかなのに自然破壊だけは一人前のダム建設も進行中である。一方、石垣島の白保空港建設計画は消滅し、海は埋立てからまぬがれた。また、リュウキュウアユ復活などの成果もある。
この10年間で研究者の移動もあり、欠けた分野もあるが新たにカバーできる分野もできた。いまこの時点で再度沖縄の自然を見直し考えることは意味のあることであると考え、ここに内容を90パーセント以上改めて新版を出版することになった。
【主要目次】
▲▲1.沖縄の自然はいま
▲▲2.生物の来た道
▲▲3.海と陸のはざまで
藻場の貝/サンゴ礁と干潟の生態系/マングローブと生き物たち
▲▲4.沖縄の動物
よみがえったリュウキュウアユ/貴重な沖縄の昆虫/両生類と爬虫類たち/ヤマネコとマングース
▲▲5.沖縄の小さな植物
▲▲6.足もとの自然
黒い水/赤土汚染/琉球石灰岩と地下水
▲▲7.沖縄の自然と人
基地のなかの沖縄/住民運動はいま/自然と人
▲▲資料
琉球列島/沖縄の国指定天然記念物/沖縄の絶滅のおそれのある生物/全国版レッドデータブックに記載されている絶滅のおそれのある生物の種数と、そのうち沖縄に生息している生物の種数/沖縄の主な米軍基地
目次
1 沖縄の自然はいま
2 生物の来た道
3 海と陸のはざまで
4 沖縄の動物
5 沖縄の小さな植物
6 足もとの自然
7 沖縄の自然と人