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朝日選書
日ソ国交回復秘録―北方領土交渉の真実

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  • サイズ B6判/ページ数 305p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022599926
  • NDC分類 319.103
  • Cコード C0320

出版社内容情報

1955年、日ソ国交回復交渉の最前線に立った「日本側全権」松本俊一が、交渉の知られざる舞台裏を明かす。北方領土の「四島返還」は日本の立場だが、国内の政治事情、対米関係などが複雑に絡み合い、交渉は暗礁に乗り上げる。当時の米国ダレス国務長官が「ソ連と二島返還で折り合うのならば、沖縄をアメリカの領土とし、日本に返還しない」と迫ったとされる「ダレスの恫喝」も記録。日本外交史に残りつつ、今ではほとんど知られていない重要な一幕を当事者として克明に描く。巻末の「ソ連のグロムイコ第一外務次官と著者の往復書簡」は日本が「北方領土問題は未解決」として返還を主張する論拠になっている。付属参考資料の「条約案・口上書」などの公電、「両国首脳(ブルガーニン‐鳩山一郎)の書簡」、「日ソ交渉日誌」など貴重な史料も多数収録。歴史的名著『モスクワにかける虹』の復刊。日ソ関係および北方領土交渉のエキスパート佐藤優による大型の書き下ろし解説付き。

内容説明

1955~56年、日ソ国交正常化交渉の最前線に立った「日本側全権」松本俊一が詳細なメモをもとに「発端」から「共同宣言成立」まで交渉の知られざる舞台裏を明かす。北方領土、抑留者引き揚げ問題ほか、「保守合同」という国内政治の激動期であったことも複雑に絡み、交渉は難航。「二島返還で折り合うのならば、沖縄をアメリカの領土とし、日本に返還しない」と迫った米国務長官ダレスの恫喝など東西冷戦下の国際関係の実相や、鳩山一郎、河野一郎、吉田茂、重光葵ら政治家たちの思惑が浮き彫りにされる。「日ソ交渉日誌」「附属資料」など貴重な史料も多数収録。一般的には閲覧が困難な史料を用いた佐藤優の大型解説付き。

目次

第1章 発端
第2章 第一次ロンドン交渉(一九五五年六月~九月)
第3章 保守合同と日ソ交渉
第4章 第二次ロンドン交渉(一九五六年一月~三月)
第5章 日ソ漁業交渉と日ソ国交正常化
第6章 第一次モスクワ交渉(一九五六年七月)
第7章 第二次モスクワ交渉(一九五六年九月~十月)
第8章 むすび
日ソ交渉日誌
附属資料

著者等紹介

松本俊一[マツモトシュンイチ]
元駐英大使、元自民党代議士。1897年、台湾・台北市生まれ。東京大学卒業後、外務省に入り、条約局長、外務次官、駐仏印・駐英各大使などを歴任。1955年、衆議院議員当選(当選3回)。同年6月、日ソ国交回復正常化の全権となり、56年10月、鳩山・河野氏らと並んで日ソ共同宣言に調印するまで終始交渉の矢面に立った。65年、外務省顧問としてベトナム、中国を訪問。87年1月死去

佐藤優[サトウマサル]
作家・元外務省主任分析官。1960年、東京都生まれ。同志社大学大学院神学研究科修士課程修了後、外務省入省。対ロシア外交で活躍。2005年に発表した『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社)で第59回毎日出版文化賞特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とりもり

3
北方四島のうち、千島列島の2島の扱いに疑念があることは知っていたが、こうして交渉の最前線におられた方の証言を読むと、もう少しうまいやり方がなかったのかとつくづく思ってしまう。歯舞、色丹の返還がほぼ決まっていたところに、国後、択捉の2島も返還せよと交渉条件を追加した結果、ソ連側の態度を硬化させ、結局4島とも返還されない状態を作ってしまう。これこそ、東郷和彦氏が書かれていた「取り過ぎの誘惑」そのものだろう。プーチンが日ソ共同宣言を認めた意義を重視して、今こそ先ずは2島返還を実現すべきだと思う。★★★★☆2017/01/29

Splash

2
北方四島のうち、千島列島に属する国後・択捉は、どうやらサンフランシスコ条約で領有権を放棄していると解釈されても仕方ない書かれ方をしている。終戦直前に北方領土を占有したソ連の言い分を聞く必要はないが、サンフランシスコ条約では、千島列島の領有権を放棄するとあるではないか・・・米国が沖縄を占領し続ける必要性とのバランス上、千島列島を日本領とはできなかったのかもしれない。2016/11/03

Happy Like a Honeybee

2
北方領土問題が解決しないのはやはりアメリカなのか? まるで当事者のように錯覚させてくれる作者の筆に感謝。 佐藤優氏による解説は必須です。2014/10/12

K.C.

1
日ソ共同宣言への道程を示した当事者の回顧録に、その前後関係について佐藤優氏による解説を付した再刊。当時の公文等も載っており、資料としても価値がある。北方領土問題では2島・4島論が必ず出てくるが、その経緯が立体的に理解できる一冊。2018/03/18

RYU

1
1956年の日ソ共同宣言の際、日本側全権として交渉した松本俊一氏の交渉記録とその舞台裏(初出1966年)。当時は、①冷戦構造(領土問題をソ連に譲歩することに米国が反対「ダレスの恫喝」)、②領土問題(択捉島や国後島はヤルタ協定やポツダム宣言等で既にソ連帰属とソ連が主張)、③国内情勢(少数派内閣の鳩山政権が1955年結成の自民党内の抑え込みに苦慮)等から、交渉は難航。平和条約締結には至らなかったが、日本の国連加盟支持、抑留者の帰還、平和条約締結後の歯舞群島・色丹島返還等を盛り込んだ日ソ共同宣言に合意する。2016/10/16

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