内容説明
『ビルマの竪琴』『炎上』『黒い十人の女』といった、市川崑監督作品の脚本家として知られる和田夏十。18年間の闘病の末、62歳で惜しまれつつこの世を去った。脚本はもちろん、エッセイ、創作、詩、評論など、遺された個性ゆたかで犀利な作品を、詩人・谷川俊太郎がセレクトし、1冊に編みあげた。時代に先がけて生きた和田夏十の魅力をあますところなくつたえた、最初にして最後の作品集。
目次
1 由美子の死(由美子の死・その前後―遺書の書き出し;信仰告白)
2 道の真中を(私はいまのいままで;私の一生を構成すると;佐伯祐三の絵というのを ほか)
3 歌(だれかが風の中で;かげろうの唄;自画像)
4 映画・短編(総合芸術「映画」と個との関係についての一考―O氏に申す;シナリオライターについて;炎上 ほか)