内容説明
人より早く出社して机やキャビネットを拭きまくる。トイレから出てきた人とすれ違うこともできない。風呂に入り体がこすれて傷つくまで何度も洗い続ける…。「不潔恐怖」に苦しむ著者が、同じ苦しみをもつ人のため、この病気の本当の姿を少しでも知ってもらいたいとの願いで、自分の悲惨な体験を書き綴った手記。
目次
1 会社での私
2 日常生活の中の私
3 職を転々とする私
4 田舎に戻ってからの私
5 家の中での私
6 病院での私
7 頭の中の私
8 サディズムと私
9 入院中の私
10 外出する私
11 I病院と私
12 完璧主義と私
著者等紹介
花木葉子[ハナキヨウコ]
1965年生まれ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
香菜子(かなこ・Kanako)
24
不潔が怖い―強迫性障害者の手記。花木 葉子先生の著書。潔癖な人もいれば不潔な人もいる。きれいなお部屋が好きな人もいれば汚部屋でもまったく気にしない人もいる。潔癖でも不潔でも自分自身や周囲に迷惑をかけなければいいけれど、度を過ぎた潔癖や度を過ぎた不潔は迷惑だし、もしかしたら病気が潜んでいるかもしれない。強迫性障害という病気の知識があれば、苦しみが少なくなるかもしれないし、もっと楽に生きられるかもしれない。2021/12/16
あび
9
強迫性障害の方の手記。外出もままならない程に、「不潔」への恐怖を抱えて生きていくのは大変に苦しい。12年前の本だが、今現在の著者は元気にされているのだろうか。この一冊のみの出版なので、その後が分からない。2017/04/21
樹999
2
病気といってしまえばそれまで、人生すべては気の持ちよう。克服できないのは弱いから。なんでもかんでも病気にするのは宜しくない、それは逃げ道だ。…と、この本を読むまではそう思っていました。転げ落ちていく途中でなんとか歯止めがきかなかったのか…恐ろしい病気だと思います。著者の人生がただただ辛いだけで終わらないことを祈るばかり。2010/03/15
もも
0
こういう症状で苦しんでいる人がいるんだと、あらためて気づかせてもらった本。そして筆者はいまもこの病気に苦しめられている・・・ 月並みなセリフですが、少しでも快方に向かうことを願わずにはいられない。2014/01/01