日輪―永田紅歌集

日輪―永田紅歌集

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  • サイズ A5判/ページ数 196p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784790405528
  • NDC分類 911.168
  • Cコード C0092

内容説明

著者の第一歌集。前半には、第八回歌壇賞「風の昼」および受賞第一作「黒馬」を含む、一九九五年からの三三六首を収め、後半には、中学・高校の六年間の歌八十首を収める。

目次

火は眠かりき
試験終わりて
シマトネリコの木をおしえよう
耳も尾も
水兵のリーベ
しっぽの長い魚
オーラ
風の昼
黒馬
鎖骨〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てん06

13
図書館にて借りる。歌人・永田紅の第一歌集である。前半に賞を得た歌が並び、後半に作歌を始めたころの歌が収められている。高校生、大学生、大学院生であるときに詠まれたもの。学生生活を背景に、理系の学生の日常や恋の歌が並ぶ。ご両親の歌と似た雰囲気の歌もあるが、いい意味でかなり素直で落ち着いた歌という印象である。ドキッとしたのは以下の一首。「目の赤は血の色と知る 目の色のないたくさんのねずみが並ぶ」2021/11/26

nemunemuanyo

13
再読 この歌集の歌に惹かれて 殆どの歌をノートに書き写してしまった どうしようもなく作者のいた京都の大学の風景が目に浮かぶ 「歩きつつ考えるとき 川沿いに回想録の文体をもつ」「関係は日光や月光を溜めるうち ふいに壊れるものかもしれぬ」「フラスコの口のかすかに欠けいたる形ばかりを思いおりしか」「触れらるることなく触るることもなく 最後に君をいつ見るのだろう」 そして「ねこじゃらしに光は重い 君といたすべての場面を再現できる」この歌に出会えて良かった 泣きたい気持ちになるのにずっと抱きしめていたい 2020/09/25

双海(ふたみ)

12
著者の第一歌集。前半には、第八回歌壇賞「風の昼」および受賞第一作「黒馬」を含む、一九九五年からの三三六首を収め、後半には、中学・高校の六年間の歌八十首を収める。「ああ君が遠いよ月夜 下敷きを挟んだままのノート硬くて」「目が覚めてもう会えないと気づく でも誰のしずかな鎖骨だったか」「海のそばに育ちし人の追憶に私の知らぬひろがりがある」「久々に開きし本の少年は既に我より年下なりき」2023/07/09

わいほす(noririn_papa)

7
河野裕子と永田和宏の娘で、短歌の世界ではサラブレッドである著者の第一歌集(2000年発行)。とはいえ、そんな宿命はどこ吹く風。素直で実験に明け暮れながらも不器用な恋愛も重ねた学生時代、リケジョの短歌日記といった感じだ。ちょうど阪神淡路大震災があった頃ではあるが、不思議とその歌はない。一方、歌人であり科学者である父と同じ道を今後も歩くであろう道は見えている。二十年良い子だったしこれからもそう クロ・リュセに光る紅薔薇。「今は亡き王女のための」朝が来て叡山電車はしり始める。これ村上春樹の短編が読みたくなる。2022/03/12

ぴのたきのこ

4
短歌は時間の錘だという永田紅さんの言葉がずっと頭に残っている。その言葉を形にしたかのような歌集だった。「水兵のリーベ 日の射す理科館に十六のわれら淡く眠りき」が自分の十代観と重なるし、「めくるめく日々構内の全自然はわれを含みて劇的であった」は胸が痛くなるくらいよくわかる。初期に詠んだという「いつからが夏だというのではないのだし私の夏は明日からにしよう」が最高すぎてスタンディングオベーションしたい。2018/04/04

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