内容説明
2003年夏、「the perfect sphere」と題される個展が、東京青山で開かれました。その個展で紹介された何枚もの大きな絵には、作者、森川幸人の夢の中に現れ続けた“黒い球体”が緻密なボールペン画で描かれていました。作者はこのイメージを追って、ひとつの物語をまとめあげました。“黒い球体”とはいったいなんなのか?…あなたの中にもきっとある“黒い球体”。自分の中に、その“黒い球体”の存在を認めたとき、その正体がみつかるかもしれません。
目次
Story イオの黒い玉
Gallery 完全なる球体/the perfect sphere(木の下で感じたこと;私から生まれたある種の実体;胸騒ぎ;運び込まれる新たな「やっかい」;私にまとわりつく漠然とした不安 ほか)
著者等紹介
森川幸人[モリカワユキヒト]
1959年岐阜県生まれ。筑波大学芸術専門学群卒業。グラフィック・クリエイター。斬新なテレビ映像で話題となった『IQエンジン』『アインシュタイン』『ウゴウゴルーガ』(CX)などの番組のCGを制作。95年に製作会社ムームー設立
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キジネコ
42
説明は一切なく、ただ作家の夢の中で起きたことが語られる絵本です。すごく変な本です。ショーンタンや、E・ゴーリーおじさんに出会ったときと同じくらい びっくりしてワクワクします。帯に糸井重里さんが「これは禅ではない」云々かんぬん…と書いていますが簡単に信用してよいものか、と疑っています。副題に完全なる球体とあります。そもそも存在しない筈の球体がイオ(多分主人公の女の子)の部屋に現れます。同時に私の中にある筈の、もしかして球体とシンクロし始めます。謎は謎のままなのですが、本を閉じても物語は続いているんです。2017/04/12