内容説明
東京裁判のキーナン首席検事をして「なんというバカげた判決か。広田と松井は死刑に値しない」と嘆かせたフランス語堪能、漢詩に長じたインテリ武人の素顔。予備役の身から五十九歳にして上海派遣軍司令官に任じられ、中支那方面軍司令官となって戦いの場に臨んだ六ヵ月。孫文に傾倒し、日中和平を探り、アジア開放運動に生涯を捧げながら、運命に翻弄された悲運の将軍の軌跡。
目次
中国を愛した男
蒋介石との会談
予想外の苦戦
中国四億人の救済
南京への道
南京攻撃の前夜
南京城総攻撃
秘かな和平工作
「新しい国」づくり
断たれた希望〔ほか〕