夏王朝は幻ではなかった―1200年遡った中国文明史の起源

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  • サイズ B6判/ページ数 276p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784760127290
  • NDC分類 222.02
  • Cコード C0022

内容説明

夏・商(殷)・周三代の歴史や文化は広く語られてきたが、紀元前八四一年以前についてはあいまいな年代しかわからなかった。しかし一九九五年、国家科学技術委員会主任(現・中日友好協会会長)の宗健が歴史学、考古学から天文学、放射線物理学におよぶ第一線の研究者二〇〇名を集めて調査研究プロジェクトを発足、ようやく二〇〇〇年に三代の年代を確定させることに成功した。本書は、この国家プロジェクトのすべての会議に同席を許された唯一の作家が、検証過程の一部始終を再現しながら二〇〇〇年来の懸案だった「夏・商・周年表」の誕生までをまとめたドキュメントである。

目次

第1章 歴史遺産を前に
第2章 世界の文明史からの示唆
第3章 地中からの呼び声
第4章 夏王朝は幻ではなかった
第5章 夏代紀年の推定
第6章 商代前期の文明
第7章 商代後期諸王の年代
第8章 武王の紂王征伐
第9章 西周王朝の興亡
第10章 世界の注目を集めた成果
終章 日本語版の刊行に寄せて

著者等紹介

岳南[ガクナン]
作家。山東省諸城県生まれ。解放軍芸術学院文学部卒業。中国作家協会会員。1990年以降、考古文学に没頭し『「北京人」を探せ』『十三陵の発掘』『清朝歴代皇帝の墓地考』など十数冊を出版、英語、フランス語、韓国語等に訳されている。香港・台湾ではその考古文学シリーズが刊行されている

朱建栄[シュケンエイ]
1957年生まれ。東洋学園大学人文学部教授(国際政治・中国現代史)

加藤優子[カトウユウコ]
1948年東京都生まれ。翻訳家、(社)国際日本語普及協会(AJALT)会員。北京に計7年間在住し、中国語、中国事情を学ぶ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tomoichi

20
中国における発掘史のドキュメント。色々と面白いのだが、中華人民共和国時代になり発掘が進み、未盗掘遺跡を発見しても作業中断期に泥棒たちが盗掘し文化財が散逸していること。さすがシナ人でございます。盗んだもん勝ち!2025/02/09

BIN

5
夏王朝というよりかは1996年に発足された「夏・商・周年代確定プロジェクト」の内容が書かれた本。各王朝の年代について、どのように確定していったかが詳しく書かれていて、古代中国オタクにはたまらない一作。文献はもちろん考古学(炭素14年代測定法やAMS法)や天文学を駆使して決めている。殷周革命が前1046年と具体的に決まったのが良いね。最後に各王ごとの年表がまとめられているのが良い。ただ折角盗掘されてない遺跡を発見したのに、発見後に何度も盗掘されて貴重な遺物が流出しているのが無様で残念なところ。2018/02/25

takao

1
ふむ2021/02/27

Masa03

0
学術的には面白いけど、読み物としては読む人を選びすぎ。。。 共和制後期のローマや、司馬遷以後の中国ならともかく、史記執筆時点で数百年経った殷王朝の年代なんてどうやって確定させんの、という疑問にある程度答えてくれた、学術的に知的刺激の強い本。 でも、読み物としては微妙かも。少なくとも、読む人を選びます。歴史に相当興味がないとね。。。 まぁ、図書館で借りて読むなら悪くない本でした。2014/08/01

呑司 ゛クリケット“苅岡

0
宮城谷文学等に触れていると馴染みの地名や王朝の名前が出て来るが、夏 商 周の年代を特定する事が目的のプロジェクトの活動内容が述べられた本。そこに歴史ロマンは無く、炭素14等々を使った歴史の特定を説明している。読み物として歴史が科学で解明されて行く過程は面白かった。2021/09/24

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