はじめてのデモクラシー講義

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784760124060
  • NDC分類 311.7
  • Cコード C0036

出版社内容情報

「先生、僕たちにもわかるように説明してください…」ひと昔前にはありえなかった要望に毎年頭を抱える政治学徒・岡田。そんな彼が試行錯誤の末にたどり着いた《レベルを落とさずに、日本政治の根幹であるデモクラシーを伝えるテキスト》がついに完成。もう、「つまらない」「関係ない」とは言わせません。

【目次】
この本はひとつのギャンブルである――まえがきに代えて

前期講座 デモクラシーが嫌いな市民の歴史

オリエンテーション 自分たちの呼び方・呼ばれ方/こうありたいという欲望/言葉の運命はそれを使う者が決める

第1講 デモスと呼ばれた人々
デモス+クラティア=デモクラシー/出入りの自由・不自由

第2講 市民という言葉の始まり
中世自由(自治)都市に生まれた市民/自由都市、堺の十人衆/絶対主義近代国家の性格/近代国家の市民階級/君主にとって不可欠な金づる/君主への不満と市民革命

第3講 市民に出された宿題
教会の没落と市民の立場/社会契約論という理論武装/政府はろくでなしであるという原則

第4講 市民社会の対抗原理
独自の原理としての公共性/市民社会のセンス

第5講 金持ち市民と貧乏労働者
特権階級としての市民/4番目の労働者階級/労働者階級の反抗策/平等を目指す大衆社会へ

第6講 面倒をみる国家の登場
大衆が変える政府の役割/肥大する福祉国家の登場/国家ナショナリズムの暴走:第一次世界大戦という不幸/手放された市民社会の公共性/大衆国家の行き着いたところ:ファシズム/もうひとつの道筋:スターリニズム/二つの悲劇に相通じるもの

第7講 アメリカという特殊な大衆社会
ファシズムからの解放者/社会の発展が国家に先行/階級なき平等な社会/国家ナショナリズムの暴走を防ぐ仕組み/政府は小さく弱く分散しているほうが良い/世界一豊かな大衆社会/豊かな大衆社会の危険

後期講義 僕たちは市民なのだろうか?

第8講 日本国民と日本の市民(Shimin)
日本の知識人が憧れた市民社会/アメリカは自由で平等だから強かった/まわりは腹を減らした国民ばかり/しょせんは「市民」と冷ややかなマルクス主義者/国民という呼び名とその起源/明治政府による国民の"創造"/日本国民がなめられた日露戦争/日本国憲法の誤訳/国民という呼び名の持つ力/愛国者という意識/60年安保闘争が生んだ市民/なぜ安保闘争が盛り上がったのか/声なき声の会/「市民のみなさん!」/自前の市民像:裸の人間/自前の市民像:意味付けされない人たち

第9講 豊かなニッポン株式会社
戦後復興という背景/高度経済成長の季節/社会主義政党の存在理由/豊かになる日本の労働者/胡坐をかく社会主義政党の衰退/お国に先導される社会/総動員体制が生んだ高度成長/ニッポン株式会社方式の功罪

第10講 僕たちの様々な呼び名
行政区分としての市民/住民:生活者としての立場/人民・大衆・庶民/鳩山VS中曽根:市民・庶民論争/平準化と大衆の意味の変化/管理社会化とエリートの没落/国民:すべてを吸収する天蓋

第11講 僕たちの成熟と未成熟
現代にも息づく市民精神/もう一つの市民精神:国家のために死ねるか/ポリスは小さな共同体だった/僕たちの未成熟/僕たちの成熟

第12講 市民以前の原則:デモクラシー
市民という言葉の棚上げ/デモクラシーの最もシンプルな意味/政治的ⅡⅤ民主主義者的/再びデモスという呼び名について

おわりに
あとがき

内容説明

こんな教科書が欲しかった!いまどきの学生への「伝えかた」に日々悩む政治学徒・岡田。そんな彼が試行錯誤の末に編み出した、新しいミンシュシュギ入門講義。

目次

前期講義 デモクラシーが嫌いな市民の歴史(デモスと呼ばれた人々;市民という言葉の始まり;市民に出された宿題;市民社会の対抗原理;金持ち市民と貧乏労働者;面倒をみる国家の登場;アメリカという特殊な大衆社会)
後期講義 僕たちは市民なのだろうか?(日本国民と日本の市民(Shimin)
豊かなニッポン株式会社
僕たちの様々な呼び名
僕たちの成熟と未成熟
市民以前の原則:デモクラシー)

著者等紹介

岡田憲治[オカダケンジ]
1962年(戦後17年)東京生まれ。立教大学法学部法学科卒業。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了(政治学博士)、立教大学法学部助手、日本学術振興会特別研究員などを経て、現在、専修大学法学部助教授。専攻は現代政治理論、現代民主主義理論
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takeapple

13
政治学について、とてもやさしい言葉で書かれている。でもとっても鋭い現代社会分析と温かな若者論になっているなあ。今の大学生が我々の学生時代から比べて劣化しているいう世間一般で流布している思い込みは、岡田先生の仰るように事実ではないと私も思う。うちの娘やその友達を見ていても、私なんかよりずっと真面目に勉強している。ただ政治への感情がネガティブになっていることや、とっても繊細な心を持っているんだろうなあ、そんなわけで違ってきているんだと思う。この本が書かれてちょっと年も経て今後どうなるのかな。気候危機やコロナが2022/02/03

スズツキ

4
著者の感情が入りすぎて、講義録としてはどう考えても不適当のような。2015/04/10

Junichi Wada

1
初歩の初歩という初心者の目からも読んでいて非常にわかりやすい良書である。  前半はデモクラシーの成り立ちを市民、国民といった言葉の歴史をたどって解説されている。  後半では日本の民主主義の歴史的側面からのアプローチをなされている。  確かに、アマゾンなどの書評でも酷評されている点として非常に初歩的でもっと深く掘り下げるようにという点で低い評価がついているが、初心者の視点では十分面白い。2007/05/07

ジョン

1
「私たちは自分たちをなんと呼べば良いのか」+「イマドキの学生に立ち向かう文章を」という筆者のふたつの挑戦が伺えた。2009/09/23

numainu

0
評価A2006/04/07

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