出版社内容情報
★本書第3章「ノスタルジックなローカリティの逆輸入―ラフカディオ・ハーン研究」の基となった論文、「ラフカディオ・ハーン研究言説における『西洋』『日本』『辺境』の表象とナショナリティ」(『社会学評論』第53巻3号所収)が、日本社会学会第2回奨励賞[論文の部]を受賞しました。
上田万年/東条操/柳田国男/田部隆次/坪井正五郎/鳥居龍蔵/金田一京助/知里真志保/伊波普猷/時枝誠記/高田保馬/小山栄三/飯本信之/小牧實繁/江澤譲爾…明治期の言語学・人類学から戦時期の新聞学・民族社会学・地政学まで、知識人が語る辺境をキーワードにして映しだされる多様な日本の姿。
内容説明
“辺境”をキーワードにして映しだされる様々な“日本”の姿―そこには、“ゆらぎ”と“再生産”が複雑に絡み合ったナショナリティがあぶりだされていた。辺境を語る知識人たち。「西洋」「辺境」が照らす特殊性と普遍性に立つ、近代日本像の未完と過剰。明治期の言語学・人類学から戦時期の新聞学・民族社会学・地政学まで。
目次
第1部 「日本」の均質性/不均質性(均質な言語空間の想像/創造―国語学;「地方」という差異の発見と統合の論理―方言学 ほか)
第2部 “境界”における包摂/排除(混合民族説におけるナショナリティの境界―人類学;「アイヌ」を規定する力学―アイヌ学 ほか)
第3部 ナショナリティの越境/再構成(植民地の言語政策と国語理論の再編―国語学;民族社会学のナショナリティと宣伝学の知―社会学・新聞学 ほか)
結論(ナショナルな空間の融解/再構築)
著者等紹介
福間良明[フクマヨシアキ]
1969年熊本市生まれ。1992年同志社大学文学部社会学科卒業(新聞学専攻)。出版社勤務を経て、2000年同志社大学大学院文学研究科社会学専攻博士前期課程修了。2003年京都大学大学院人間・環境学研究科文化・地域環境学専攻博士後期課程修了。京都大学博士(人間・環境学)。現在、京都大学研修員(人間・環境学研究科)。関西学院大学社会学部ほか非常勤講師。専攻は歴史社会学・ナショナリズム研究
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