出版社内容情報
日本の王権(天皇)は社会の変化に応じ,その姿態転換をとげながら存続してきた。古代から近代までその姿態転換を天皇・官・公共性の3者関係の構造の変化を歴史的に辿り,その存立基盤の強固性と脆弱性を照射する最新日本王権論集。
序文………………………………………………………………………鈴木正幸
第1章 古代東アジアの王権と農耕儀礼―日中社会文化の差異……坂江渉
第2章 「明神」としての天皇………………………………………井上勝博
第3章 古代王権と仕奉………………………………………………松下正和
第4章 中世王家の成立………………………………………………栗山圭子
第5章 都市王権と中世国家……………………………………………東島誠
第6章 近世における大政委任論の形成過程
―近代天皇制国家創出の論理形成…………………………上安祥子
第7章 近代日本における皇・官・民………………………………鈴木正幸
あとがき…………………………………………………………………鈴木正幸
内容説明
公が公共を体現し、その公を王が代表していなければ、王は存立できないし、したがって君主制は存立できない。社会的公共は時代によって変化する。その変化に対応できなければ王権は危機に瀕する。逆に言えば、王権が存続したことは、時代による社会的公共の変化に王権が対応して姿態転換をしてきたことを意味する。日本における王・公・公共の三者関係の構造はいかなる史的変遷をたどり、王権はいかなる姿態転換をとげてきたのであろうか。
目次
第1章 古代東アジアの王権と農耕儀礼―日中社会文化の差異
第2章 「明神」としての天皇
第3章 古代王権と仕奉
第4章 中世王家の成立
第5章 都市王権と中世国家
第6章 近世における大政委任論の形成過程―近代天皇制国家創出の論理形成
第7章 近代日本における皇・官・民