出版社内容情報
成長への憧れとおそれ,自負と劣等感,希望と失意が交錯した,あの日々。誰もが子どもの頃に刻印されてしまったものを背負って生きていく…。1960年代の京都を舞台に華麗にして繊細な文体で綴られた,在日朝鮮人少年の精神形成史。
内容説明
異色の読書案内。成長への憧れとおそれ、自負と劣等感、希望と失意が交錯した、あの日々。誰もが子どもの頃に刻印されてしまったものを背負って生きていく…。60年代の京都を舞台に描かれる、異数の精神の遍歴。
目次
思春期の戸口にて―『寺田寅彦集』
子どもの涙〈一〉―エリザベス・ルウィズ『揚子江の少年』
子どもの涙〈二〉―ニコライ・バイコフ『偉大なる王』
子どもの涙〈三〉―エーリッヒ・ケストナー『飛ぶ教室』
豆を煮るに―吉川英治『三国志』
いやな奴―太宰治『思ひ出』〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぱせり
5
子どものころのことを、その頃愛読していた本を通して振り返る。著者にとって読書は、ただ楽しみではなかった。著者の言葉の一言ひとことが、わたしには痛いようだった。そうした彼から、「自分が在日朝鮮人であるということ、その疎外を意識してこそ前進が可能になるのだ」という言葉を引きだしたのも、貪るように読んだ本からだ。2019/06/18
しゃっと
1
出会う本ひとつひとつに思い入れがあるとよくいうけども、壮絶な歴史とともに少年時代を駆け抜けた作者の人格が、本一冊によって形成されていく過程が興味深かった。娯楽としての読書も教養としての読書も、自分と民族を重ねずに読むのが不可能であった少年時代。本と共に照らし出されるどの場面にも、哀愁が漂っていた。祖国分断と排他主義に揉まれ生きる作者の読書遍歴が、今日は私の人格形成の過程となる。2020/05/18
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