内容説明
部落の偉大な「おや様」松本治一郎、美と理念の使徒・西光万吉、反逆者・平野小劔―歴史に呼び出された男たちの壮絶なドラマだが、これは歴史をたどる旅ではない、自分ならどうするか…その追跡である。被差別部落からみた近代。突破者がつきあたった事実―。
目次
第1章 川筋のボタ山に立つ―筑豊の部落解放運動と羽音豊
第2章 突破者から見た解放の父―もう一つの松本治一郎伝
第3章 曙光をもたらした青年たち―柏原三青年と全国水平社
第4章 水平社精神を継ぐもの―戦後奈良の部落解放運動と川口正志
第5章 渦巻く大都市部落―京都部落解放運動の光と影
第6章 歴史に呼び出された男たち―松田喜一、泉野利喜蔵、栗須七郎、そして大阪の水平運動
第7章 大逆事件から水平社まで―明治・大正期和歌山の被差別部落
第8章 眼醒めたものは悲しくなかった―『破戒』と長野県の水平運動
第9章 水平線上の赤と黒―アナ・ボル対立と平野小劔・高橋貞樹
著者等紹介
宮崎学[ミヤザキマナブ]
作家。1945年京都生まれ。早稲田大学法学部中退。高校時代に共産党に入党し、早大時代は学生運動に邁進。その後、週刊誌記者、家業の土建・解体業を経て、戦後史の陰を駆け抜けてきた半生を綴った著書『突破者』がベストセラーに。1999年より月刊『部落解放』誌上で「近代の奈落を歩く」の連載開始。福岡・奈良・京都・大阪・和歌山・長野などの各地の被差別部落を訪ね、大正時代から戦後に至る日本近代化の歴史を背景に被差別部落で展開されてきたドラマ―人びとの闘い、生き方、人物像をほりおこしながら、日本近代と社会運動を再検証する試みをおこなう
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