内容説明
日航機墜落事故から十年、かつて警察官として遺体確認の現場指揮を執った父の突然の死。不良と呼ばれて世間から弾き出され、前科者として裏社会以外に行き場所をなくした男は、二度と戻るはずのなかった故郷で、リゾート開発を巡るトラブルと孤児院を食い潰した非道な詐欺事件に遭遇する。薄幸な兄妹。見え隠れする地元暴力団と巨大組織の影。やがては日航機事故との思わぬ接点が…。希代のストーリテリングとリリシズムが冴え渡る名品、待望の文庫化。
著者等紹介
香納諒一[カノウリョウイチ]
1963年横浜生まれ。早稲田大学文学部卒業。91年「ハミングで二番まで」で第13回小説推理新人賞受賞。『時よ夜の海に瞑れ』(文庫版『夜の海に瞑れ』)で長篇デビュー。99年『幻の女』で第52回日本推理作家協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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