内容説明
閑静な町並みの、とある隠居所で紙問屋「美濃屋」の遣り手の主人・富右衛門が、全裸死体で発見された。南町同心の惣十郎は現場で、少し甘いような上品なにおいに気づく。そしてそれが「伽羅千尋」という高価な香だということをつきとめる。犯人が残したものなのか!?心が行き違ってしまっている妻を気にしながらも、惣十郎は探索に精を出すが…。市井に生きる男と女の愛と憎しみの果てを描く、書き下ろし時代ミステリー。大好評の南町同心早瀬惣十郎捕物控、待望の第二弾。
著者等紹介
千野隆司[チノタカシ]
昭和26年、東京都生まれ。国学院大学文学部卒業。中学校教員のかたわら、時代小説を執筆。平成2年、「夜の道行」で、第12回小説推理新人賞を受賞。以後、時代小説を次々と発表。常に新作が待望される作家である
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感想・レビュー
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真理そら
63
早い段階でなんとなく犯人が推測できたが、香についての描写がいい。香りは言葉で表現することが難しいのになんとなくイメージが伝わるのが凄い。許嫁がいるのに他の男に嫁ぐパターンは早瀬夫婦の状況と重ねながら話が進むせいだろうか。2021/06/30
suzu
15
きになるなあ。香のかおり。時間ができたらそういう余裕の楽しみがほしいものだ。今は母の人工肛門のケアでかおりどころではない。食欲もない。2017/08/10
定年おやじ
2
シリーズ2巻、殺人事件を追う同心、事件は解決しますが、妻との行き違いは第3巻へ。2017/08/09
ひさか
2
2004年11月ハルキ文庫刊。文庫書き下ろし。シリーズ2作め。前作に続き、探索が主になった事件解決の地味なお話。しかし、惣十郎は、妻の琴江の件について、学習しないというか、相変わらずのイマイチな対応で、愚かだと思います。2016/08/25
いえのぶ
2
香りをテーマにした時代小説ミステリー。容疑者が早く固まったわりには複雑な人間関係で決着までに手間取っている。伽羅ってどんな香りだろう。2011/12/12