出版社内容情報
地図ではなく、よいコンパスを持つこと。
情報技術は確かに怖い側面もあるが、それを恐れずに使いこなすことが肝心だ。情報技術は神秘的で難解なものではなく、私たち一人一人のツールとなるものだ。そして、「文系」の人が使いこなしてこそ、情報技術に「心」が宿り、私たちの生活をよりよくしていける。
情報の哲学に関する研究活動を行いながら、クリエイティブ・コモンズの活動や、ITベンチャーの経営にも携わる俊英が、現代を生きる老若男女のために、情報技術と共存する新しい社会をつくるための考え方・心構えを記す。
※「レリギオ(Religio)」はラテン語、宗教(religion)の語源で、「再び結ぶ、強く結ぶ」の意。
第1章 情報に情けと報いは宿るか
生きている情報
文学としての情報技術
サイボーグとしての現代人
情報技術と「心」
レリギオ
第2章 情報社会のつくり方
1 フィードバックをつくる
2 プロトタイプをつくる
情報のペインとペインキラー
「車輪の再発明」を肯定する
「デザイン・フィクション」という思考法
3 オルタナティブを社会に実装する
オルタナティブの社会実装の事例
4 実践例:Picsee、もしくは「親しみ」の実装
写真の共有からカメラロールの共有へ
デジタルな生写真の力
「親しみ」の情報
コミュニケーションサービスの歴史におけるPicsee
ペイン
ペインキラーから新しい価値の実装へ
第3章 情報社会のコンパス
1 情報の哲学とは
人間中心のエンジニアリングに向けて
2 情報の摂取と表現
理性的なPCから感性的なスマートデバイスへ
情報の摂取
情報の表現
3 現実像とメディア
情報技術とマスメディア
4 コンピュータの摂理
アルゴリズムの生態系
金融市場におけるアルゴリズムの暴走
アルゴリズムによる現実像の操作
世界規模の監視ネットワーク
オルタナティブを思考する
理念をスケールさせる
監視から協働へ
人間性への揺り戻し
情報社会は常に変化に開かれている
第4章 電脳のレリギオ
人間への注意
読むことは書くこと
電脳のレリギオ
【著者紹介】
1981年東京生まれ。フランス国籍。UCLA卒業。東京大学大学院博士課程修了。博士(学際情報学)。著書に『インターネットを生命化する プロクロニズムの思想と実践』(青土社)、『フリーカルチャーをつくるためのガイドブック』(フィルムアート社)などがある。
内容説明
ビッグデータや人工知能に代表される今日の情報技術は、ますます人間の自然と乖離しているようにみえる。しかし、情報技術そのものは決して神秘的なものではなく、人間的な価値に引き寄せることができれば、私たち一人一人の心と現実を滋養する道具となる。そして、技術をただ「使う」ことだけではなく「つくる」ことにも気づくことによって、情報に「心」が宿り、人間と情報技術が調和する道筋が見えてくる。
目次
1 情報に情けと報いは宿るか(生きている情報;文学としての情報技術;サイボーグとしての現代人;情報技術と「心」;レリギオ)
2 情報社会のつくり方(フィードバックをかえす;プロトタイプをつくる;オルタナティブを社会に実装する;実践例:Picseeもしくは「親しみ」の実践)
3 情報社会のコンパス(情報の哲学としてのコンパス;情報の摂取と表現;コンピュータの摂理と人間)
4 電脳のレリギオ(人間同士の注意;人間固有の価値;読むことは書くこと;電脳のレリギオ)
著者等紹介
チェン,ドミニク[チェン,ドミニク] [Chen,Dominique]
1981年東京生まれ。フランス国籍。カリフォルニア大学ロサンゼルス校卒業。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。NPO法人コモンスフィア理事。株式会社ディヴィデュアル共同創業者・取締役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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