世界歴史叢書
ユダヤ人の歴史

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  • サイズ B6判/ページ数 852p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750317618
  • NDC分類 228.5
  • Cコード C0322

出版社内容情報

ヘブライ民族の登場以前から現代まで、4000年におよぶユダヤ史を人物中心に描き出した一大叙事詩。ユダヤ民族の運命を形成した、社会・宗教・思想また政治・経済・外交などあらゆる要因を考察し、ユダヤ社会と非ユダヤ社会との間の相互作用にも論究する。

まえがき

―――第一部―――
第1章 歴史の舞台
第2章 ヘブライ族の起源
第3章 ヘブライ族のパレスチナ入り
第4章 民族意識の芽生え
第5章 王国の分裂
第6章 預言者――ヘブライの生ける良心
第7章 ユダヤ教の成立
第8章 聖書時代のパレスチナ――生活と労働
第9章 ヘレニズムとヘブライズム
第10章 ユダヤ人国家の最後
第11章 キリスト教の勃興

―――第二部―――
第12章 タルムードの発展
第13章 イスラム世界の登場
第14章 黄金のスペイン時代
第15章 悪夢の四世紀――キリスト教下のヨーロッパ
第16章 スペイン・ユダヤ人社会の興亡
第17章 難民の避難地
第18章 退化
第19章 中世世界のユダヤ人

―――第三部―――
第20章 ユダヤ人中世時代の終焉
第21章 中世の牙城落つ
第22章 リベラリズムの勝利
第23章 アメリカ・ユダヤ史の諸要素
第24章 ロシア・ユダヤ人の悪夢
第25章 変化するユダヤ文化と宗教
第26章 反ユダヤ主義の復活
第27章 シオニズム
第28章 サラエボからサンレモへ(一九一四-二〇)
第29章 戦争のはざま
第30章 二〇

 本書はアブラム・レオン・ザハル著A history of the jewsの全訳である。初版はヒトラーが権力の座につく三年前にあたる一九三〇年三月に出され、以後第二次大戦勃発直後の一九四〇年、イスラエル独立直後の一九四八年、アラブテロが激しくなった一九五三年にそれぞれ改訂され、そして一九六四年に最後の改訂版が出された。
 初版から最後の改訂版まで三五年が経過し、この間ユダヤ人はホロコーストから国家独立、すなわち民族絶滅の危機と民族再生を経験した。ユダヤ四〇〇〇年の歴史から見ると三十余年はわずかな期間だが、ユダヤ史を凝縮したような波乱にみちた時間である。
(中略)
 日本人とユダヤ人は、先の大戦で全く別の結論を引きだした。ユダヤ人は戦争と平行して起きたホロコースト体験によって、非道な扱いを受けても国際社会は現実を知ろうとせず、知っても口先のきれいごとをいうだけで、自分を守るには自分しかいないことを、身をもって知った。一方の日本人は、先に手を出した戦争で惨敗し、爾来自衛意志を放棄した。
 これまでの歴史体験も全く違う。小さな移民集団は別として、日本の社会そのものが少数派として多数派のなかで存在したことはない。少数派はみじめ>訳者あとがき 滝川義人

目次

歴史の舞台
ヘブライ族の起源
ヘブライ族のパレスチナ入り
民族意識の芽生え
王国の分裂
預言者―ヘブライの生ける良心
ユダヤ教の成立
聖書時代のバレスチナ―生活と労働
ヘレニズムとヘブライズム
ユダヤ人国家の最後〔ほか〕

著者等紹介

ザハル,アブラム・レオン[ザハル,アブラムレオン][Sachar,Abram Leon]
1889‐1993。哲学博士。20世紀前半のユダヤ史学を代表する研究者のひとり。第2次大戦中はシカゴ、ニューヨークのラジオ解説員として活躍。教育者としての行政手腕もあり、ブネイブリス・ヒレル基金(高等教育機関に学ぶユダヤ人子弟の支援を目的とする全国組織)の創設者のひとりで、長年理事長をつとめた。その後ブランダイス大学の初代学長としてアメリカ有数の大学に育てあげた

滝川義人[タキガワヨシト]
長崎県出身。早稲田大学卒業。ユダヤ、中東研究者
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