内容説明
浄土宗の開祖法然は、日本仏教史の転回点に立つ聖者でもある。宗祖の立場は常に苦難の道であって、彼もまた例外ではない。しかし法然の門流が多くなるにつれて、法然像もまた神秘化され来った。本書はこの意味から法然像のヴェールをはがし、あるがままの人間法然を描き、執拗な弾圧に抗する苦悩と実践とを如実に追求する。
目次
1 はじめに
2 苦難の道
3 新しき救い
4 時機相応
5 師と門弟
6 対立
7 法難
8 魂の家郷
9 信と謗
10 法を嗣ぐ者
系図
略年譜
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
多読多量連投が日課だった
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なんか聖徳太子並みに伝記が多いが本人の書とかは無い坊さん。祈祷が評判だったとか。2017/07/27
ごみくず
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速読.論文か何かに使った参考書。読了日は暫定。所有は新装版第三刷の1992年版だが、初版自体は1959年と相当古い。論文の参考にと購入したが、結局院生に手伝ってもらいこの本は使わなかった。(記:2023年9月17日)2000/06/14
ELW
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昭和の説法を聴聞する思いでした。江戸時代の仏僧によってはこういう研究はされなかったんですかね。国学ばかりに脚光が浴びせられているようですが。さて、熊谷直実は知っていたけど、そうか、慈円や九条兼実と同時代なんですね。「教学の一般的性格」の箇所がとくに頷かされた。2020/05/02