内容説明
東京大田区や北イタリアのプラートなどに見られる多数の中小企業が集まる「産業集積」はこれからの活力にみちた産業発展を考えるキーワードである。なぜ多くの中小企業が集まるのか、なぜその集積は存続するのか、柔軟な分業とはどういうものなのか、どういう政策が求められているのか、さまざまな問いに立ち向かう。
目次
第1章 産業集積の意義と論理
第2章 新しい中小企業論
第3章 産業集積における分業の柔軟さ
第4章 産業集積とマーケット
第5章 産業集積「崩壊」の論理
第6章 大都市産業集積のゆくえ
第7章 企業城下町の変遷
第8章 創業と創業支援
第9章 産業集積における革新の担い手
第10章 産業集積研究の未来
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
富士さん
2
中小企業の集積をイノベーションの先端として解すれば、とてもおもしろいと思いました。ベンチャー企業と横文字で言っても所詮中小企業に過ぎないのだし、不安定な経営は存在をかけたトライアル・アンド・エラーとも言え、その切実さは大企業の比ではないはずです。ただ、その制度的な薄利や経済の緩衝としての役割を軽んじて、中小企業の熟練や技術を持ち上げるだけではまずいと思います。それでは、日本の誇るべき技ともてはやしておきながら、その経済的な苦境には憐みの眼差しを向けるだけという、見世物として消費されるにとどまると思います。2019/10/08
6 - hey
2
やはり、どうして産業集積が形成されたかを知るには、長期的な分析が必要なのではないだろうか?2012/09/11
まちなかのノコギリ屋根
0
国内における産業集積論のベースになる1冊。主に東京・城南地区を例に取り上げ、集積についての視点で書かれている。2018/06/21