内容説明
裁判官と学者という二重の鏡に映し出された最高裁判所の姿を綴るとともに、第三小法廷において発表し反響を呼んだ自身の“少数意見”をまとめあげた一冊。
目次
第1部 裁判官と学者の間―在官10年を回顧して感じたことの覚え書(最高裁判事に任命されて;裁判官の生活;理論と裁判;判例の尊重;少数意見制;憲法裁判)
第2部 私の少数意見(憲法;公職選挙法;租税法;行政訴訟;労働法;民事法;刑事訴訟法)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さくらみかげ
1
憲法学者と最高裁裁判官と、2つの立場の間で悩みに悩み抜いた筆者の述懐と、在任中に筆者が判決で出した意見を収録。人の人生を大きく左右する法の解釈適用という営為に対してどこまでも謙虚にひたむきにあろうとする筆者の姿には、法学の求道者としてというよりも人間として畏敬の念を禁じえません。2011/11/29
文明
0
数々の不必要な少数意見を書いた伊藤正己判事による書物。日本は学者判事の任命か少数意見制度及び国民審査のどちらかをやめるべきであろう。少数意見制度に関する記述は面白かった。2023/09/07