内容説明
ジェット機の墜落あるいはチェルノブイリ原発事故。現代人は、誰も災害の立会い人を免れえない。カタストロフィの齎す心理問題と社会問題は?また対処策は?
目次
1 災害の体験(災害の本質;災害の予期;衝撃と余波;死と生存;喪失と悲嘆;立ち退き・仮住まい・再定着;子供・老人・家族)
2 被災者の救済(精神衛生と適応;被災者と救援者;被災社会の精神衛生;災害と政治)
結び―人間とカタストロフィ
付録 被災後の精神衛生に関する質問表
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ted
3
抽象的な言葉の羅列が多い学術論文調で、図表も恐ろしく分りづらい。果して今までどれだけ読まれたか疑問だ。力作だが名著ではない。実例は海外の災害(ハリケーン等)ばかりだが、被災者の辿る心理過程や被災後に表面化する心傷性ストレス反応などは万国共通なので、今回の震災について考察する上では役に立つ。また仮に災害には遭わなくとも交通事故や暴力事件といった「私的カタストロフ」に巻き込まれるリスクは充分あるので、その対処やフォローにおいても本書は有益だろう。また、援助や救助者に対する思い込みを正すきっかけも与えてくれる。2011/04/26