内容説明
物質の性質が急激に変化する相転移。さまざまなスケールに生じるこの現象は、熱力学関数に現れる特異性であり、やっかいであるが、きわめて興味深い現象である。本書では、相転移とは何かから始まり、相転移はどのように起こり何が見えるのか、相転移に伴う臨界現象の普遍的性質、各種の模型や近似法などを解説する。
目次
相転移とは何か
平均場理論
Landau理論
動的現象と相転移
可解模型
スケーリング理論
くりこみ群
実空間くりこみ群
運動量空間くりこみ群
演算子積展開〔ほか〕
著者等紹介
高橋和孝[タカハシカズタカ]
2001年筑波大学大学院物理学研究科博士課程修了。博士(理学)。ドイツ・ルール大学博士研究員、理化学研究所協力研究員を経て、2006年東京工業大学大学院理工学研究科助手。職名変更、改組により、2016年同大学理学院助教。おもな研究分野は量子・統計物理学全般
西森秀稔[ニシモリヒデトシ]
1982年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。理学博士。カーネギー・メロン大学博士研究員、ラトガース大学博士研究員、東京工業大学理学部助手、助教授を経て、1996年より東京工業大学大学院理工学研究科教授。改組により2016年同大学理学院教授。おもな研究分野は量子アニーリングおよびスピングラスの理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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quolc
1
初歩的な平均場近似やLandau理論から始め、実空間・運動量空間くりこみ群の一般論、Kosterlitz-Thouless転移など連続対称性のある系や量子相転移まで広く扱った一冊。Goldenfeld(未読)と近いスタイルらしい。 内容のボリュームはあるが解説のテンポが良く行間も広くないので独習用にも読みやすいと思う。ファインマンダイアグラム等を用いた摂動計算はあっさり書かれているので別の本も使って練習したほうがよさそう。 QFTのくりこみも半章程度扱っているが、そちら専門の本を読んだ方がよさそう。2017/11/04