内容説明
体制にも反体制にも「いい顔」をする処世術。ノーベル賞作家の偽善を徹底的に追求する。
目次
第1部 大江健三郎の人生
第2部「本多勝一『大江健三郎の人生』」を私はこう考える
第3部 「『大江健三郎の人生』を私はこう考える」について考える
第4部 なぜ大江健三郎を問題にするのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やまはるか
19
「週刊金曜日」の特集で「本多勝一氏による大江健三郎批判」にショックを受け、28年前の本書を読む。主張は大江が反核など反体制の近くで活動しながら、反・反核、歴史修正主義の雑誌「諸君」を発行する株式会社文藝春秋と作品の発表、芥川賞の選考委員などで関係が深いのは双方に良い顔をする処世に長けた生き方だと。批判に多くは答えなかったが、大江研究者山本昭宏氏は「長く続いた批判・攻撃は苦しかったようで、初めて鬱病のような状態になったと自身語っている」と金曜日で述べている。そのように本書は激しく執拗な批判を展開している。2023/10/01
shouyi.
6
「歴史なき時代に」の参考文献中にあった本。徹底的な大江批判。大江健三郎の小説ではなくその生き方在り方に対する批判である。その当否を軽々に言えるだけの力がないので結論は保留したい、卑怯だけれど。ただ、これまで大江の名だけでありがっていた自分がいかに滑稽かは身に染みた。2021/09/14