冨山房百科文庫
緑雨警語

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  • サイズ B40判/ページ数 280p/高さ 18X12cm
  • 商品コード 9784572001412
  • NDC分類 917
  • Cコード C0295

出版社内容情報

明治の文人斎藤緑雨(1867〜1904)のアフォリズム(警語)を網羅し、文意が解しやすくなるよう語釈とコメントを加えたもの。警語集「眼前口頭」(1898)所収の条々以下、世紀の替わり目の作ながら、内容・表現ともに時代を超えて鮮烈、コメントも的確酒脱で、面白さは類がない。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

傘緑

28
この本は『イノセンス』のなかで、随分と押井守のゴーストをハッキング、彼此に共通の言葉でいえば、心を盗んでいたんだなw 「偽りにも善を行う者あらば、猶可ならずや」「愚の大なるがありて、初めて道の妙を成す」「詩は建国のものにあらず、亡国のものなり。建つるよりは、亡ぶるに姿かなえり」「理ありて保たるる世にあらず、無理ありて保たるる世なり」「どうあるとても嫌は嫌、好は好、克己は貧乏神の御符也」「利器は兇器也、文明の利器は文明の兇器也」「貧を誇るは、富を誇るよりも更に賤し」「興がれとてや刻一刻、死に近くを成長との」2016/11/20

双海(ふたみ)

19
明治の文人である斎藤緑雨の警語を網羅し、文意が解しやすくなるよう語釈とコメントを加えたもの。なかなか鮮烈な内容です。歯切れのよい文語体が爽快。2014/08/12

午睡

6
寸鉄人を刺す警句で知られた緑雨。作家の開高健がよく緑雨の箴言を引用していたが、開高もまたアフォリズムをよくした人だった。文を研ぎ澄ます人というのは似たところがある。 あまりに有名な緑雨の警句「筆は一本、箸は二本。衆寡敵せず」も収められており、本書によればこれが書かれたのは明治33年12月29日。当時は年末に1年分のツケを一気に支払う習慣があったから、貧困にあえいでいた緑雨はさぞ苦しかっただろう。その追い詰められた苦しみと諦念が、この警句に切実に込められている気がする。2019/06/27

kokekko

5
ざーっと読んだ。かっこいい警句集。ラロシュフコーの『箴言集』や、芥川の『侏儒の言葉』と同じジャンルの本である。うまいこと言っている短文がたくさん収録されているので、文字数のわりに読むのに時間がかかるタイプの本だった。興味深い。2022/04/20

ホークス

4
文章としては短い警句を集めた本。文語体と言うのだろうか、半分も解らなかったが、面白いものも多い。例えば「公平と義侠は並び立たない。何故なら義侠とは依怙(贔屓)だから」「因業と几帳面は似ている。同じく、耄碌と真摯も似ている」「涙ほど貴いものはない。しかしアクビしたときにも出る」「筆は一本、箸は二本。衆寡敵せず」。皮肉としては、かなりのセンスだと思う。又、文体のせいかも知れないが、身を削って書いた様な凄味も感じる。2014/09/06

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