出版社内容情報
郡奉行・刑部隼人と伊賀忍者・椎名兵衛。片や組織に生き、片や組織を見限った両者の生きざまを、藩内抗争を軸に鮮烈に描き出す力作。
内容説明
大聖藩郡奉行の刑部隼人は、ある日、行き倒れの浪人を見つけ、助けようとした。その時、突然、背後から刺客に襲われる。が、倒れていた浪人は、いち早く襲撃を察し、見事な動きで、隼人を凶刃から守るのであった。隼人は、椎名兵衛と名乗るその浪人を自宅に連れ帰り、居候させることにするが、藩の中老は彼を公儀隠密と疑い、隼人に「斬れ」と命じた。―なぜ、自分が刺客に狙われるのか。そして、領内に、公儀の密偵が入り込むいかなる事情があるのか―隼人は、次第に家中の抗争に巻き込まれていく。