流れの科学

流れの科学

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  • サイズ A5判/ページ数 235p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784501615901
  • NDC分類 423.8
  • Cコード C3052

出版社内容情報

 流体力学・自然科学は工学の基礎学問であるが,学生にとってはかなり難解なものであるらしい。その理由は,流体力学の教科書が数学的に難解な記述で執筆されているものが多いこと,それぞれの専門分野でどのように役立つかを学生が理解しづらいこと,にあると考えている。
 本書では,数学的記述をできるだけ簡素化し,直感的,物理的に理解できるように配慮し,分かりやすい教科書となるように心掛けた。そのための補助的手段として,『ポイント』,『もっと詳しく学ぼう』,などのコーナーを設けた。また,書名を「流れの科学」としたのは,「流体力学」の持つ堅苦しさを排除したかったこと,および,より自然界の中の身近な存在としての流れを意識して欲しいと願ったためである。本書によって,より多くの学生が流れに興味を持ってくれればと思う。
 なお,本書の執筆に当たっては中井正則博士の協力を得た。特に,演習問題は同氏に作成を依頼したものである。記して感謝の意を表します。
  平成10年4月
有田正光
松風台にて

第1章 基礎用語の説明
1-1 完全流体と粘性流体
1-2 流体の粘性
1-3 圧縮性流体と非圧縮性流体
1-4 定常流と非定常流
1-5 流線,流管,流跡線
1-6 流体の変形運動
(1) 伸び縮み
(2) 回転
(3) ずり変形
演習問題
第2章 流れの基礎方程式
2-1 連続の式
2-2 オイラーの運動方程式
(完全流体の運動方程式)
2-3 ナビエー・ストークスの式
(粘性の効果を付加したオイラーの運動方程式)
2-4 流線に沿って立てられた運動方程式
(完全流体の場合)
2-5 ベルヌイの定理とその応用
2-6 運動量の方程式
演習問題
第3章 層流と乱流
3-1 レイノルズの実験
3-2 乱流中に働くせん断応力
3-3 レイノルズ方程式
3-4 乱れエネルギー方程式
演習問題
第4章 乱流の性質
4-1 乱流の発生と組織的構造
4-2 乱流中の渦と波
4-3 乱流の統計的処理
(1) 確率密度関数
(2) 自己相関関数
(3) 乱れのスペクトル
4-4 一様等方性乱流の統計的性質
(1) 空間的相関係数と渦のスケール
(2) 凍結乱流の仮定と乱れの波数スペクトル
(3) 乱れエネルギーの高周波側への移行と散逸
(4) 局所等方性理論
演習問題
第5章 境界層
5-1 境界層の概念の成立
(1) ダランベールの背理
(2) 境界層の概念と概略
5-2 境界層方程式
5-3 境界層の性質
(1) 境界層の剥離
(2) 境界層の排除厚と運動量厚
(3) 運動量積分式
(4) エネルギー積分式
演習問題
第6章 流れと抵抗
6-1 表面抵抗と形状抵抗
6-2 表面抵抗
(1) 層流境界層
(2) 乱流境界層
6-3 三次元もしくは二次元物体が流れから受ける抵抗
(1) 三次元物体が受ける抵抗
(2) 二次元物体が受ける抵抗,
演習問題
第7章 渦と循環
7-1 渦度と循環
7-2 渦線,渦管,渦糸および渦と循環に関する基礎原理
7-3 渦の誘導速度
7-4 渦列
7-5 循環と揚力
7-6 基礎的な渦
(1) 自由渦運動
(2) 強制渦運動
(3) ランキン渦
演習問題
第8章 管水路の流れ
8-1 管路内の流速分布と流量
(1) 層流の場合
(2) 乱流の場合
8-2 管水路の摩擦損失係数
(1) 層流の場合
(2) 乱流の場合
(3) 摩擦損失係数の整理
演習問題
第9章 液面を持つ流れ
9-1 流れの分類
9-2 比エネルギー,常流・射流
9-3 エネルギー損失を無視した液面形の方程式
9-4 エネルギー損失を考慮した液面形の方程式
(1) 簡単化された方程式と諸パラメータ
(2) 広幅矩形断面水路の水面形状
演習問題
第10章 ポテンシャル流
10-1 ポテンシャル流の基礎式
(1) 速度ポテンシャルφと流れ関数ψ
(2) 複素速度ポテンシャル
10-2 各種のポテンシャル流
(1) 一様流
(2) 角をまわる流れ
(3) 渦糸
(4) 湧出しと吸込み
10-3 組合せ流れ
(1) 湧出し+吸込み
(2) 一対の渦
(3) 湧出しと渦糸
(4) 一様流中の湧出し+吸込み
(5) 一様流中の回転円柱
(6) 壁面近傍の湧出しおよび吸込み
10-4 等角写像
(1) 等角写像の基礎原理
(2) 任意形状の外部領域から円の外部領域への写像
(3) n角形内部から上半面への写像
演習問題
第11章 表面波
11-1 微小振幅表面波の基礎方程式と境界条件
(1) 基礎方程式
(2) 境界条件
11-2 基礎方程式の解
11-3 微小振幅表面波の諸性質
(1) 水粒子の移動速度と軌跡
(2) 水中圧力
(3) 波のエネルギーとその伝達率
(4) 重複波
11-4 有限振幅波
(1) ストークス波
(2) トロコイド波
(3) クノイド波と弧立波
演習問題
第12章 さまざまな流れ・相似則
12-1 さまざまな流れ
(1) 噴流と後流
(2) 衝撃波
(3) 各種の二次流
(4) 特殊な流体
12-2 相似則
(1) フルードの相似則
(2) レイノルズの相似則
参考文献
演習問題の解答
索  引

内容説明

本書では、数学的記述をできるだけ簡素化し、直感的、物理的に理解できるように配慮し、分かりやすい教科書となるように心掛けた。

目次

第1章 基礎用語の説明
第2章 流れの基礎方程式
第3章 層流と乱流
第4章 乱流の性質
第5章 境界層
第6章 流れと抵抗
第7章 渦と循環
第8章 管水路の流れ
第9章 液面を持つ流れ
第10章 ポテンシャル流
第11章 表面波
第12章 さまざまな流れ・相似則