モデリングとフィードバック制御―動的システムの解析

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モデリングとフィードバック制御―動的システムの解析

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  • サイズ A5判/ページ数 220p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784501321901
  • NDC分類 501
  • Cコード C3055

出版社内容情報

 われわれが,ある現象を理解するとは,その現象がどのような場合に起きるか,時間の経過とともにどのような挙動をするか知ることではないだろうか.このような理解は,その現象のモデルを頭の中に作り上げることによって行われる.モデルは,「ある現象があれば,このように現象が続く」といったデータの集りで記述することもできるであろう.このような表現は簡単ではない.天文学を取り上げると,衛星の挙動ははじめデータで表現されていたが,ケプラーによる面積速度一定の法則により,その挙動の定量的な表現が進んだ.さらにニュートンによる引力の表現と微分方程式により,衛星の挙動が簡単に表現されるようになったばかりか,他の動的な現象の理解までできるようになったことがよく知られている.微分方程式が動的な現象の理解に有効なことは言うまでもない. 工学において取り扱わなくてはならない動的な現象を,微分方程式により表現することは,この現象の理解ばかりか,望ましい挙動をするシステムを作り上げるためにも有効である.この本は,簡単な要素の動的な挙動を理解し表現する手法と,要素の集りによって構成されるシステムの挙動の表現法にらいて述べている。このような動的なシステムを取り扱う工学は,制御工学,システム工学をはじめとして多くある. 本書は6章で構成され,第1章「動的システムとモデリング」では,モデリングとは,抽象化による現象の理解の基礎であることと,微分方程式のような道具を使うことによる有効性,そしてある現象のモデルを使って理解すると,別の現象も理解するのに有効であることを述べる.第2章「システムのモデリング」では,機械系,電気系を微分方程式で表現することによるモデルを作る方法を示し,・それが工学の基礎となることを示す.第3章「線形システムの解析」では,線形システムの動的な挙動の解析に有効であるラプラス変換と,それらが組み合わされたシステムの取り扱いを書いている.第4章「時間応答と周波数応答」では,線形システムの動的な挙動である時間応答と周波数応答を述べている. この本は,動的なシステムを取り扱う工学の基礎として書いたものであり,工学部1,2年生のための数学,あるいはモデリングの授業の教科書として有用と考えている.本来は,東京工業大学制御工学科の動的システム論のために準備したものであり,書くにあたりLATEXの原稿入力にお手伝いいただいた栗田詠里子さん,原稿を読みタイプミスその他を御指摘下さった東京電機大学の杉木昭彦さんに感謝いたします.また,本書出版を企画された東京電機大学出版局に御礼申し上げます
2001年4月2日
埼玉県鳩山の東京電機大学にて著者を代表して
古田勝久

第1章 動的システムとモデリング
1.1 はじめに
1.2 微分方程式と安定性
1.3 動的システム
1.4 位相平面による解析

第2章 システムのモデリング
2.1 モデリングとは何か
2.2 機械系のモデリング
  2.2.1 ばね-マスーダッシュポット(スプリングー質量ーダンパ)系
  2.2.2 ばねと質量
  2.2.3 ばねーダッシュポットー質量系
  2.2.4 ショックアブソーバ
  2.2.5 一端に質量のある棒の回転
  2.2.6 回転におけるダンパとスプリング
  2.2.7 スプリング-慣性ーダンパ系
2.3 電気回路のモデリング
 2.3.1 抵抗,コンデンサ,コイル
 2.3.2 抵抗コンデンサ系
 2.3.3 抵抗-コイルーコンデンサ系
2.4 機械系と電気系のアナロジー
 2.4.1 速度ー電流相似と速度ー電圧相似(アナロジー)
2.5 その他のシステムのモデリング
 2.5.1 直流モータ
 2.5.2 倒立振子
 2.5.3 Lagrange方程式を用いたモデリング
2.6 オペアンプ
 2.6.1 反転/非反転増幅器
 2.6.2 加算器
 2.6.3 積分器/微分器
 2.6.4 ローパスフィルタ

第3章 線形システムの解析
3.1 ラプラス変換
3.1.1 オリヴァー・ヘビサイド(OliverHeviside)
  3.1.2 ラプラス変換
  3.1.3 簡単な線形微分方程式の解法
3.2 線形システムと入出力関係
  3.2.1 線形システムとは
  3.2.2 インパルス応答と入出力関係
  3.2.3 入出力信号のラプラス変換とたたみ込み積分
  3.2.4 伝達関数
  3.2.5 ブロック線図と実システムの伝達関数
  3.2.6 1次遅れ系の場合の電気系と機械系のアナロジー
  3.2.7 2次遅れ系
  3.2.8 ブロック線図の変形
  3.2.9 周波数特性
  3.2.10 システムの状態表現
  3.2.11 システムの安定性

第4章 時間応答と周波数特性
4.1 伝達関数と時間応答
 4.1.1 1次遅れ系の伝達関数と応答
  4.1.2 2次遅れ系
  4.1.3 2次振動系
  4.1.4 零点の影響
  4.1.5 1次遅れ・むだ時間系
4.2 入出力関係と周波数特性
 4.2.1 周波数特性
 4.2.2 ベクトル軌跡
 4.2.3 Bode線図

第5章 安定性とロバスト安定性
5.1 システムの安定性
5.1.1 線形システムの安定性
5.2 Routhの定理
  5.2.1 Gantmacherによる証明
  5.2.2 Mansourによる証明
5.3 ロバスト安定性
  5.3.1 カリトノフの安定理論

第6章 フィードバック制御系
6.1 閉ループ系の安定性
  6.1.1 制御系をなぜフィードバックで実現するか?
  6.1.2 Nyquistの安定判別
  6.1.3 Bode線図による安定判別
6.2 フィードバック制御系設計
 6.2.1 フィードバック制御系の設計指標
 6.2.2 根軌跡法
 6.2.3 Nyquist線図
 6.2.4 Hall線図
 6.2.5 Bode線図による閉ループ系設計
 6.2.6 Nicholes Chart

参考図書
索引

内容説明

工学において取り扱わなくてはならない動的な現象を、微分方程式により表現することは、この現象の理解ばかりか、望ましい挙動をするシステムを作り上げるためにも有効である。この本は、簡単な要素の動的な挙動を理解し表現する手法と、要素の集りによって構成されるシステムの挙動の表現法について述べている。

目次

第1章 動的システムとモデリング
第2章 システムのモデリング
第3章 線形システムの解析
第4章 時間応答と周波数特性
第5章 安定性とロバスト安定性
第6章 フィードバック制御系

著者等紹介

古田勝久[フルタカツヒサ]
東京工業大学大学院理工学研究科博士課程修了(1967年)。工学博士(1967年)。東京工業大学工学部助教授(1970年)。東京工業大学工学部教授(1982年)。カリフォルニア大学バークレー校Springer Professor(1997年)。東京電機大学理工学部教授(2000年)

畠山省四朗[ハタケヤマショウシロウ]
東京工業大学大学院理工学研究科博士課程満期退学(1980年)。工学博士(1982年)。東京電機大学理工学部助教授(1986年)。東京電機大学理工学部教授(1993年)

野中謙一郎[ノナカケンイチロウ]
東京工業大学大学院情報理工学研究科博士課程修了(1997年)。博士(工学)(1997年)。武蔵工業大学工学部助手(1997年)。武蔵工業大学工学部講師(2000年)
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