感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
126
私にとって本格ミステリーの代名詞にして神様クイーンが著した犯罪実話集。エラリー・クイーンが2人の従兄弟ユニットなのは有名ですが本書は片割のマンフレッド・リー氏が単独で雑誌に執筆した物らしいです。本作では、残念ながら往年の神の如き名推理は味わえませんが、国それぞれの思想や風土に裏打ちされた犯罪と結末が描かれ不自然さが全く無く語り口の上手さとあいまって極めてナチュラルな仕上がりになっていると感じます。古今東西の数ある犯罪の中でクイーンが集めた宝石の様な事件の選択の妙が味わえます。ちなみに日本編は帝銀事件です。
セウテス
62
エラリーが世界各地をまわり、著名な事件をエラリー風に短編にまとめた20話。この短編が好評だった為に、その後掲載された女がらみの犯罪短編19話から成っている。本当に1話2、3ページの実話を基にした、オチのあるショートショートです。キチンと伏線を配し最後の一撃に、たいへんエラリー氏らしい特徴が出ていると思います。また女がらみの方は、人の内面に視点を置いた興味深いものに成っています。日本では帝銀事件を扱っていますが、全体的に世界見聞録の様な一風変わった構成です。エラリー・クイーン氏の器用さが、解るというもの。2016/06/27
Kiyoshi Utsugi
36
「エラリー・クイーンの国際事件簿」では、20話の短篇が収録されています。ここでは、作家のエラリー・クイーンが世界を周遊して、聞いた事件を紹介してます。 「私の好きな犯罪実話」では、作者が好きな二つの事件を収録しています。そのうちの「あるドン・ファンの死」は、ヴァン・ダインが「ベンソン殺人事件」を書くきっかけとなった実際に起きた事件。 「事件の中の女」では、女性を中心とした短篇が19話収録されています。 結局、個人的に面白かったのは「あるドン・ファンの死」だけでした。😅2021/12/06
Syo
21
むっかぁ〜し、 読んだかもしれないけれど。 久しぶりにエラリー・クイーン を読んでみんとて。 しかし超短編なので 物足りないぞ。2018/03/23
ちどり
20
エラリーが世界を回り 過去の奇妙な事件の話を聞く短編集。日本のお話も出てきて、ワクワクしながら読んでいると「ん?この事件と似たような話、以前テレビで紹介されて見たことあるぞ」と思って検索したら実際に会った話(帝銀事件)を元にした短編集だったことを知り驚き。そんな恐ろしい事件の数々をエラリー風にリメイクされ恐ろしさ倍増。‘事件の中の女’は女性犯罪の数々のお話で、‘事件の影に女あり’ではなく、事件そのものに女あり!な作品で面白かった,,,, 2014/11/23