戦場の狗―ある特務諜報員の手記

戦場の狗―ある特務諜報員の手記

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  • サイズ B6判/ページ数 231p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784480813237
  • NDC分類 391.6
  • Cコード C0021

内容説明

松岡洋右の指令の下に、太平洋戦争下のアジアをひたすら犬のように歩き続け、そして見捨てられた諜報員の数奇な半生。

目次

コタンに生まれる
満鉄の特別教育
ハルピン学院
燕京大学・旅の学校
日本での教育
ノモンハン事件
天津から延安へ
延安から西安へ
太行山脈に沿って
重慶
武漢三都と南京調査
海南島からインドシナ半島へ
タイの阿片密造工場
ビルマのイスラム寺院
マレー半島からシンガポールへ
スマトラ島
フィリッピンで
再び天津・西安へ
チベット高原へ
ゴルムドから西安へ
ラマ僧になって―西安から新郷へ
洪水―新郷から済南へ
済南・邯鄲で
大同・張家口そして北京へ
逮捕
拷問
日本へ
仮釈放

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kawa

22
日本人とアイヌの混血である筆者が、幼少時から思わぬ経緯で特殊諜報員に仕立てられたとするドキュメント。それは、時の満鉄副社長(後の外務大臣)松岡洋右の肝いりで、「戦後の日本に役立たせるために、軍の行う非合法行為の証拠を集める」目的だったと言う。ちょと信じがたい話ではあるが、中国、蒙古、東南アジア各地での諜報活動の記録、その内容はノモンハン、南京虐殺、従軍慰安婦なども交え、微に入り細にわたる。一種のロード・ムービー的要素も。作中に、私の縁者も登場すること(不正確な記述もあるように思う)もあり、手に取る。2018/10/29

元吉

2
★☆☆☆☆ 松岡洋右の命を受け、旧満州と米国の大学で英才教育を受け、戦時下の中国と東南アジアをまわって軍が犯した暴虐事件の真偽を調べるための紀行記。一人の手記という体裁をとっているが、後から寄せ集めたフィクションだと思う。アイヌと混血の少年が13歳で大学に入学したり、戦前に水上機やジープが登場したり、原子爆弾の実験がラジオ放送されたとか突っ込みどころ満載だ。松岡洋右はどちらかと言えば持ち上げている。誰が何のためにこのフィクションを書いたか、それも興味がある。2020/06/21

水無月十六(ニール・フィレル)

1
アイヌの血を引く著者が経験した第二次世界大戦中の日本の諜報活動の物語。自身の生い立ちから軍情報部入り、東南アジア方面での活動について描かれている。読んでからだいぶ時間が経ってしまったこともあり、内容をあまり覚えていないが、可もなく不可もなくという読後感だったような印象がある。一読後、物語中で描かれた史実の背景を調べてみるのも面白いと思う。2022/04/02

シロツメクサ

1
驚くべき。戦前の特殊教育とは、エリート教育でした。その犠牲になったアイヌの少年。2015/05/13

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