内容説明
代数、幾何、解析。数学の多くの分野は唯一つの式に合流し、そしてそれを起点に再び奔流となって迸る。ネイピア数、円周率、虚数、指数関数、三角関数が織りなす不思議の環:オイラーの公式。ファインマンは「これは我々の至宝である」と嘆じた。本書は、この公式の理解を目標に、数学の基礎を徹底的に解説して、三万部を越えるベストセラーとなった独習書『オイラーの贈物』の完全文庫化であり、増補改訂版である。記述は極めて丁寧かつ平明であるため、意欲溢れる中高生の副読本としても好適である。
目次
第1部 基礎理論(パスカルの三角形;方程式と関数;微分;積分)
第2部 関数の定義(テイラー展開;指数関数・対数関数;三角関数)
第3部 オイラーの公式とその応用(オイラーの公式;ベクトルと行列;フーリエ級数)
第4部 附録(発展的話題;各種数表)
第5部 問題解答
著者等紹介
吉田武[ヨシダタケシ]
昭和63年、京都大学工学博士(数理工学専攻)
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感想・レビュー
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ymazda1
5
eiπをEXCELにブチこんでも、エラーで-1になるわけないのに、この式ってなに?って思ってたけど、これって、遠い昔に習ったような気がする複素数のお話なのね・・・オイラーなら、個人的には座屈式が浮かんでしまう・・・20年くらい前のノートを見返してみたら、自分はこの座屈式をSin曲線を仮定して誘導してて、でも「仮定」を含むからには、これって誘導って言えるんかなあって思ってググってみたら、座屈式を正しい手順で誘導するのに、実はこの「人類の至宝」が必要だと今さらながらに知って・・・仕事って、つながってるのね♪
BIN
5
自然数から始まり関数や方程式、微積と簡単にまとめて解説した上でオイラーの公式まで解説されてます。方程式を電卓で解いたり、具体的な数値を入れたりとよい例題もあります。オイラーの公式後に応用としてベクトルや行列のところも触れられており、実部と虚部を行列で使い分けたりするところはなるほどなと思った次第です。後半200ページが付録でさらなる応用部分が記載されており、よく文庫でこれだけまとめられてるなと感心しました。数表ということでπやeを4000桁書いてあるのもすごい。初学者より再学習者にはよいと思います。2024/03/30
T.Matsumoto
4
久しぶりの数学。中古本から入手しましたが、絶版は惜しいです。頭の体操をした感じです。実用的な本とは違い、数学特有の純粋さ、美しさが滲み出てくる筆致は、読んでいて心地よいですね。2019/10/04
Stayc
2
今まで自分の中で独立していた数学の各分野が見事にひとつにつながり、感動した。数学という学問の奥深さに触れられる。2009/02/24
太郎くん。
1
数学の本の中ではお気に入り2016/02/15