内容説明
タイプの全く違う詩人４人、しかしいずれ劣らぬ世渡りべた、貧乏、もうれつな反逆者―存分に理知と情熱を生きた晶子、忠君愛国に眩惑された自分の罪を負って戦後を生きた光太郎、ルンペン詩人と呼ばれながら気高い精神を詩に賭けた貘、アジア・パリを放浪し、プロレタリア詩にも戦争詩にも組みせず、自分自身の思考力を大切にした光晴。詩にとって時代とは、国家とは。詩人にとって家族とは。詩人の筆によって描破された鮮烈な詩人像。
目次
与謝野晶子
高村光太郎
山之口貘
金子光晴
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
109
茨木さんは凛とした生き方を貫いた詩人だった。俗にあって俗に流されないのが凛とした生き方だと思う。この本の詩人たちも、時流に流されず自らの生き方を貫いた人たちだ。散文と違って韻文は個人的なものなので、自分の内面を守って生きることが必要になるのだと思う。茨木さんは詩人たちが辿ったいばらの道を尊敬と愛情をこめて描いている。その深い思い入れが読み手にも伝わって、読んでいる時胸がいっぱいになることがあった。押し潰されそうになる困難を乗り越えて、母として文学者として生き抜いた与謝野晶子の章が特に感動的。2014/12/11
モリータ
8
◆単行本1967年さ・え・ら書房刊、文庫版（本書）1994年ちくま文庫刊。◆四人の詩人（与謝野晶子、高村光太郎、山之口獏、金子光晴）の短く教育的な伝記。授業の予習のため与謝野晶子の部分のみ読む。未読本棚で保管。2022/12/05
シンドバッド
6
4人の詩人 いぜれも感銘を受けるが、詩・エッセイは読んでいないもののも山之口獏 そして 金子光春。2015/10/19
森コリス
4
もう古本でしか手に入らないかと諦めかけていたが、訪問先の最寄りの書店に在庫があった！与謝野晶子については小学生の時に何度も伝記を読んだので、懐かしく読み返した。高村光太郎、金子光晴はお名前だけ存じ上げていたが、山之口貘は初めて知った。当時の時代背景と併せて、陽の当たるところだけでなく影の部分も、詩人の生き方を語ってくれる国語の先生に出会った気分で読み終えた。2018/11/01
イボンヌ
3
与謝野晶子夫妻にまつわるエピソードが面白い。 高村光太郎が戦争賛美の詩を書いてたことは、知らなかった。 2023/11/03
