近代日本の軍産学複合体―海軍・重工業界・大学

近代日本の軍産学複合体―海軍・重工業界・大学

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  • サイズ A5判/ページ数 208,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784423710630
  • NDC分類 397.21
  • Cコード C3031

内容説明

本書は、科学技術の研究・開発を通じた軍隊と民間との結合という現代的課題に着目し、その一つの歴史的起源である日本海軍と造船業、そして大学の三者結合すなわち「軍産学複合体」の形成と発達を政治史的観点から解明する。近代日本の軍産学複合体を一身に体現した平賀譲東京帝国大学総長が遺した膨大な技術資料を駆使して分析を行った結果に基づき、科学技術の専門家集団に対する外部からのコントロールの必要性を提示することによって、新たな研究の領域を拓く書である。

目次

第1章 軍産学複合体の前期的形成(軍産学複合体の端緒としての横須賀製鉄所;イギリスへの技術依存による日本海軍の成長;日本海軍の建設モデルとしてのイギリス軍産学複合体)
第2章 日本国内での軍産学複合体の成長と停滞(対英依存から国内の軍産学複合体形成へ;平賀の登場と八八艦隊の建設;軍縮下の軍事技術開発基盤の拡充)
第3章 軍産学複合体の復活と日本の戦時体制化(ワシントン体制の崩壊と軍事工業の成立;戦時体制における海軍・大学間協力関係の緊密化;平賀東京帝国大学総長による軍産学複合体の強化)
第4章 戦時体制期の日本における軍産学複合体の活動(海軍造船官による計画造船の実施;日本海軍と軍産学複合体の問題性)

著者等紹介

畑野勇[ハタノイサム]
1971年、千葉県に生まれる。1995年、武蔵工業大学工学部電気電子工学科卒業。2002年、成蹊大学大学院法学政治学研究科博士後期課程修了、博士号(政治学)取得。現職、東京大学大学史史科室教務補佐員(非常勤職員)、成蹊大学法学部講師(非常勤)。専攻、日本政治史・外交史;科学技術政策史・日本海軍史
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