内容説明
本心と裏腹な言動をしやすい日本人。その二面性の謎を日米の文化比較の視点から解き明かす。鍵は『文化的表示規則』という概念である。本書は感情経験に関する大規模な研究知見に基づき、日本人のもつ感情世界の豊かさと多様性を浮き彫りにし、さらに文化間の類似と差異を理解するのに必要な二つの基本的なモデル(IC次元/SD次元)を提起する。従来の体験論とは異なる実証的で説得力ある日本人論となっている。
目次
日本と日本人―矛盾に満ちた国
日本人の顔(感情をあらわす表情の普遍性;文化に固有の側面と表示規則)
内面の感情―主観的な感情世界
感情の先行条件と評価
見る側の眼―ほかの人の感情をどのように知覚するのか
感情の概念と感情語
文化の違いがみられる主要な次元―文化の概念的理解と感情に及ぼす影響
感情に関する研究計画