内容説明
長いあいだ忘れられていたグノーシスの宗教の象徴言語や教義を、従来の研究とグノーシス文書を踏まえて総合的に探究する。今日の人間精神と思考に改変を迫る書。1986年に出版され版を重ねた同書に、ハンス・ヨナスによる英語版第3版への序文を追加した増補版。
目次
序論―ヘレニズムにおける東方と西方
第1部 グノーシスの文学―主要教義、象徴言語(グノーシスの意味とグノーシス運動の広がり;グノーシス的イメージとその象徴言語)
第2部 グノーシス主義の諸体系(シモン・マグス;『真珠の歌』;世界を創造した天使たち。マルキオーンの福音; ヘルメス・トリスメギストスのポイマンドレース;ヴァレンティノス派の思弁;マニによる創造、世界史、そして救済)
第3部 グノーシス主義と古典精神(コスモスのギリシア的評価とグノーシス的評価;ギリシアの教説とグノーシスの教説における徳と魂;グノーシス主義の領域における最近の発見;エピローグ―グノーシス主義、実存主義、ニヒリズム)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
2
グノーシス派の教理を丁寧に説明した専門書。二元論の系譜である。至高善・光がこの世に見えない形で存在している一方、この世を悪・闇だとするのは同じだが、その悪がこの世の創造主であるのか、もとからあったのか、という点で微妙に異なってくる。この世がすでに悪だとすると創造者はいったい誰なのか。このグノーシス派はキリスト教の誕生とともに一神教の敵として葬り去られた。シモン・マグス、マルキオーン、ヘルメス・トリスメギストス、ヴァレンティヌス、そしてマニへ、さらにはハイデッガーの実存主義にまでという系譜である。2006/08/19
いとう・しんご
2
ヨナスの主著の内、もっとも初期のもの。古代文献の体系化を試みる内容で、要するに歴史物語なので、他の2冊に比べると全然読みやすい(ただし1Kg弱あって重たい)。古代グノーシス主義と現代実存主義との比較については「生命の哲学」の一章を再録しているが、こっちの翻訳の方が読みやすい。本書の読みやすさは翻訳の良さもあるのだと思う。聖書通読のデザート?としては胃もたれするかもしれないけれど、挑戦する価値あり。2021/05/13
-
- 電子書籍
- ばーがー・ふぉー・ゆー! 2巻 まんが…
-
- 電子書籍
- 近づく鼓動【タテヨミ】第95話 pic…
-
- 電子書籍
- 現実の彼女はいりません! 3巻 ヤング…
-
- 電子書籍
- 「今、この瞬間」を生きる喜び マインド…
-
- 電子書籍
- バイト先は「悪の組織」!? 2 KCG…