内容説明
旧日本軍の戦略思想には、情報と補給の重要性が、信じられないほど希薄だった。最悪のケースが人事。戦争に突入しても年功制にこだわった。ソフトパワーの軽視と、過去の成功体験の復讐―いまの日本の政財界および官僚の混迷をそのままあらわしているではないか。なぜ、日本人はかくも同じ失敗を繰り返すのか。
目次
第1章 成功の復讐―なぜ、同じ失敗を繰り返すのか(大惨敗はありえなかったはずのミッドウェー海戦;ミッドウェーまでは日本のほうが戦力が上だった ほか)
第2章 精神主義の呪縛―なぜ情報が軽視されるのか(ノモンハンで技術革新より精神論を学んでしまった陸軍;マネー敗戦も負けるべくして負けた ほか)
第3章 撤退戦の研究―平時のリーダー、戦時のリーダー(無能な指揮官、四つのタイプ;山本五十六には戦時のリーダーとして絶対に必要な資質がなかった ほか)
第4章 戦略なき膨張―組織を伸ばす人事、潰す人事(参謀重視の伝統が無能なリーダーを生み続けた;スペシャリストを重宝する企業が勝つ ほか)
第5章 魔性の歴史―負けると分かってなぜ戦うのか(日本が太平洋戦争に突入していった四つのポイント;日本は、戦争に突入しない選択もできた ほか)