出版社内容情報
オースティンによる言語行為――事実の記述ではなく発話とは何がしかの行為であると考える――の分析を受け継ぎ,体系化したのが本書。現代哲学の中心テーマの一つ。
内容説明
オースティンが提起し、サールによって完成された言語行為論。いま、豊かな可能性を孕んで広がりつつある理論の原点。
目次
第1章 方法と展望
第2章 表現・意味・言語行為
第3章 発語内行為の構造
第4章 言語行為としての指示
第5章 述定
第6章 現代哲学における三つの誤謬
第7章 指示をめぐる諸問題
第8章 「事実」から「当為」を導く議論について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
buuupuuu
19
サールは言語行為を制度的事実と考える。つまり王手や支払いなどと同じ様に、ルールを背景にして成立するものと考える。サールの言語行為論のゴールの一つは、言語行為を支配するそのようなルールを明示化することである。このルールがどのような身分を持っているのかということや、ルールに従うためにはいかなる認知能力が必要とされるのかということは、また新たな哲学的問題となるのだろう。オースティンの『言葉と行為』は発語内行為というものを剔抉することに集中していたが、サールは指示や述定などの命題行為にも踏み込んで論じている。2024/02/17
井蛙
2
サールは、オースティンの発語行為を撤廃し発語内行為との区別を緩やかにするとともに、発語内行為を成立させるという「慣習」について詳論している。彼によれば規則には、既存の行為を制限する統制的規則と、新たな行為を創出する構成的規則が存在する。そして「言語を使用することは構成的規則に則った言語行為を遂行することである」という非常に魅力的な仮説が提出される。最終章ではこの仮説を支持するために、「事実is」から「当為ought」を導くという伝統的な哲学に対する挑戦的な議論がなされている。2017/12/20
u_ljn
1
ふぅー2020/03/28