内容説明
これからはわたしが陽一君の母親になります。幸福に暮らす三人の人間を惨殺してしまった犯人と、彼をまるごと受けとめて養母となり、更生を促す一女性の愛情あふれる姿をとらえ事件の社会的及び家庭的な背景と死刑制度への疑問を描くノンフィクションの話題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
17
人を救いたいという思いが自己満足との裏表であることを知るキリスト者。少なくとも人を殺めた者と向き合わなければ、同情という名のエゴイズムに気付くことは一生なかった。頑張りましょうと言うが「何を頑張るのですか?」との死刑囚の言葉は重い。2020/02/11
コギー
2
図書館本。97年刊行。85年、兵庫県で母子三人を殺害するなどしたことで死刑となった男性と、その男性の養母となり、支援を続けた女性牧師との交流を綴ったルポルタージュ。ただし、諸般の事情により、人物名のみいずれも仮名。その死刑囚は、現在は既に死刑執行されている。特に、この男性が起こしたことのような事件が発生した場合、多くの人たちは報道で知り、被害者の心情を考えるといったことが大半だろう。被疑者とされた人物に対しても、死刑になるべきと主張する人が少なくない。だが、加害者側にも心情はあるのだということを実感する。2024/07/02
sasha
2
自己中心的な理由で幸せであったろう母子ら3人を殺害した青年。その生い立ちを知って、彼の心を救いたいと感じた女性牧師。ふたりの交流を描きながら、取り返しのつかない残虐な犯行を犯した殺人犯の心の更生と死刑制度を考える。信仰を持たぬ私には分からない部分もあるが、人が人を救いたいと思う気持ちと、悔恨の情を持って欲しいと願う気持ちは理解出来る。死刑が確定するであろう殺人犯を養子の迎える。その行為に対する批判は並大抵ではなかったろうな。2014/06/18
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