内容説明
戦争謝罪問題や中国に進出した日本企業の挫折する原因が日中間の言語感覚・文化の違いにあることを実証した画期的対論。
目次
第1章 なぜ中国は執拗に謝罪を要求するのか
第2章 なぜ日本企業の中国進出は挫折するのか
第3章 なぜ日本人と中国人は相互理解が困難なのか
第4章 中国と日本の未来はあるのか
第5章 中国の「華夷秩序」とどう付き合うか
最終章 米中接近・日本外しをどう考えるか
著者等紹介
稲垣武[イナガキタケシ]
1934年生まれ。京都大学文学部卒業後、朝日新聞社入社。地方支局、本阪本社整理部を経て、週刊朝日副編集長、出版プロジェクト室幹事、調査研究室主任研究員等を歴任。現在はフリージャーナリスト。著書に『「悪魔跋い」の戦後史―進歩的文化人の言論と責任』(第3回山本七平賞受賞)等多数
加地伸行[カジノブユキ]
1936年生まれ。京都大学文学部卒業後、同大学大学院文学研究科修士課程修了。高野山大学専任講師、名古屋大学助教授、大阪大学教授を経て、現在、大阪大学名誉教授。専攻は中国哲学史
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感想・レビュー
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マウンテンゴリラ
3
本書が出版されてからすでに10年近くが経とうとしているが、日中の関係は改善の兆しを見せていないように思える。これまでにも中国に関する歴史や評論文は読んできたが、本書からは、単純に中国を異形の国とし、国際社会での我が国の正当性を主張するだけでは何も前進しないといったことを教えられた。中国を責任ある国際社会の一員として、我がほうに引き寄せるのではなく、その特異性とともに自国の特異性もしっかりと認識したうえで、見習うべき点は見習い、したたかな外交を展開していく必要があると感じされられた。2011/11/08
undine
1
20年以上前の本。朝日新聞批判で有名な稲垣氏と論語研究などで有名な加地氏の対談本。出版された当時ではそれなりに思い切ったことを言っていたかもしれないが、中国のヤバさが広まった今ではそれほど過激には感じない。提言らしいことも言っているが、今時間を経て検証してみると、好きなことを言いたい放題言いっぱなしで終わった感がある。日中の力関係が逆転した今ではなく、あの頃に日本が強い姿勢でしっかりと中国に向き合っていればもっと違う現在を迎えていたかもしれないと思わされる。台湾の重要性を強調していたことは良い。2025/01/24