文春文庫<br> 零戦燃ゆ〈6〉

文春文庫
零戦燃ゆ〈6〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 385p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167240141
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

出版社内容情報

敗色濃い戦局の中、懸命の奮闘を続ける零戦パイロットと技術者たち。日米両国での取材と新資料で今次大戦を描く渾身の力作完結篇

内容説明

フィリピン沖海戦で潰滅的な損害を受けた日本は、零戦による特攻隊で反撃に出る。B29の本土空襲が始まり、三菱・中島の工場が大地震で崩壊。零戦の後継機「烈風」やロケット戦闘機「秋水」の開発も遅れる中、紫電改隊が獅子奮迅の活躍を見せるのだが―。零戦を軸に日本の戦い方とその根本思想を鋭く分析した力作長篇全六巻完結。

目次

第4部 米海軍は特攻機対策にORまで導入。B29の本土空襲が開始される中で、三菱・中島の工場が大地震で崩壊、多数の学徒が犠牲となる。
第5部 『大和』は消え、桜花隊は全滅。烈風・秋水の開発が遅れる中で、紫電改隊が獅子奮迅の活躍。だが、飛行隊長が一人もいなくなって―

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

イプシロン

30
零戦を中心軸に描かれた作品だけに、簡素な表現しかされていない部分があるのは、いささか残念である。戦艦大和の水上特攻など僅か3ページである。原爆ひとつとってみても、本気に知ろうとするなら数冊の書籍を読む必要があろうが、なにしろ零戦(とそれに関わった人びと)が中心軸なのだから、この辺りは致しかたないのだろう。しかし、その時その時に見合った語り伝えるべき題材の選択は見事であると言える。ともあれ、その時、名前をもった個人たちがそれぞれの人生をもがきながら生きていたという事実を風化させないことこそが、2020/09/23

イプシロン

25
戦後、陸軍の山下奉文大将は敗戦の原因を訊かれて「Science」と答えたという。この一言こそ、当時の日本人の精神性を抉りだしたものは無いと思う。本著は零戦という工業製品を中心軸とし、設計思想や用兵などを追うことで、当時の日本人がいかに非科学的な思考の持ち主であり、それが敗戦の主原因であったかを明瞭にするものである。しかし、その精神性――全軍特攻にいたる精神性――の根源がどこにあったのかを紐解いていないのが残念であった。無論、当時の軍中央部の特攻の組織化や日常化といった動きなどは追ってはいるのだが。その点に2023/07/23

roatsu

7
名機・零戦と日米戦争の渾身のドキュメント。本シリーズの何よりの価値は取材・執筆の当時に、元搭乗員の将兵の方々をはじめ当事者の多くが存命で、その貴重な記憶と証言を存分に取材できたことだと思う。零戦という象徴的な兵器の生涯だけでなく、日本人がかの総力戦において露呈した国家的・民族的な長所短所までスポットを当てた戦記文学の傑作。少し昔の本なので執筆当時の事実認識とこの数十年で新たに明らかになった史実との差異も多少あるが、そこが真相の把握が難しく、常に検証が絶えない生きた歴史を相手にする難しさ・奥深さだと思う。2015/07/18

むらきち

2
とても面白かった。零戦が中心ですが、その時の戦況や他の機体との比較や体験者の証言など、とても幅広く書いており、零戦の解説としても太平洋戦争の概要を知るにもいいと思います。2011/07/18

hide

1
二度と繰り返してはならない、語り継ぐべき記録。2020/08/24

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