出版社内容情報
敗色濃い戦局の中、懸命の奮闘を続ける零戦パイロットと技術者たち。日米両国での取材と新資料で今次大戦を描く渾身の力作完結篇
内容説明
「あ」号作戦が失敗し、マリアナ沖海戦に敗れた日本は、サイパン島を放棄。台湾沖航空戦では戦果を誤認し、多くの零戦やパイロットを失いながら、米海軍に打撃を与えることはできなかった。そんな状況のなかフィリピン沖海戦を迎え、零戦を使った体当り爆撃の神風特攻隊が編制される。日米決戦を描いた渾身の力作全6巻の5。
目次
第1部 サイパン島放棄で日本本土防衛の生命線が崩れる。その状況下で一少尉の提案の特攻用人間爆弾の開発が直ちに採用されたのはなぜか。
第2部 日米決戦は空海において技術と情報の対決の様相を一層濃くする。日本海軍の台湾沖航空戦の戦果判断の誤りは禍根を残すことになる。
第3部 ついにレイテが天王山となる。複雑な海空戦で日米双方に指揮官の判断ミスが相次ぐが、日本側は情報システムの欠陥が致命的となる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イプシロン
31
特攻――。何度考えてみても、まったく肯定する気になれない精神性である。本巻の内容のみをもって特攻を考えることはほぼ不可能であろう。だが、命令する側とされる側の心情統一と、両者の置かれた環境が心情統一を招くという著者の分析は鋭いものがある。つまり、ある環境に陥ったとき人間は必然的に究極の自己犠牲を選ぶのだ、と。したがって、それを阻止する方法は、そのような必然性をもつ人間精神の本質についての知識と、それへの教育こそ肝なのだろう。また、特攻に対する米軍の軍事的分析があまりにも合理的すぎて苦笑した面があった。2023/07/21
イプシロン
29
第五巻は、マリアナ沖海戦、特攻兵器の開発経緯と過程の推測、追い詰められた者が陥る希望的観測による戦果誤認( 台湾沖航空戦)、それらが絡みあって醸成された全軍特攻へと進む道が描かれる。読むだけで鬱々とした気分になった。特攻については色々考えてきたし、基本的に極左思想な私は特攻絶対否定派だが、今回再読して、何も言えないし語るべきでもない気がした。そもそもどんなに思考してみても、特攻隊員の遺書を読んでみても、感覚的に彼らが何をどう思っていたのかを知る術がないからだ。「死人に口なし」という言葉がある。2020/09/21
クライン
6
昭和19年10月、大西中将により最初の特攻を命ずる書面が作成、発令されました。攻撃隊は4隊、それぞれ敷島隊、大和隊、朝日隊、山桜隊と命名され、今に至るまで日本について回るイメージの原点、「特攻」の始まりです。そして間を置かずレイテ沖へはかの巨大戦艦・武蔵が波頭を蹴立てて進みます。「敷島の 大和心を 人問はば 朝日ににほふ 山桜花」 本居宣長。2015/05/10
しょうご
0
日米両軍のパイロット、技術者、軍人の緻密な取材から第二次世界大戦の開戦から終戦までを描く超大作。ハードカバー3冊(文庫6冊)ありますが、息もつかせず読ませます。
p-man
0
最終巻へ2012/07/19
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