出版社内容情報
錯綜する世界状勢のなかで、多くの注目を集める日本。今こそこの国の根源的なかたちについて考える時だ。大ベストセラーの文庫化
内容説明
この国の習俗・慣習、あるいは思考や行動の基本的な型というものを大小となく煮詰め、エキスのようなものがとりだせないか―。日本史に深い造詣を持つ著者が、さまざまな歴史の情景のなかから夾雑物を洗いながして、その核となっているものに迫り、日本人の本質は何かを問いかける。確かな史観に裏打ちされた卓抜した評論。
目次
紋
天領と藩領
婚姻雑話
土佐の場合
肥後の場合
華厳
ポンペの神社
金
カッテンディーケ
江戸景色
十三世紀の文章語
典型
無題
汚職
職人
聖
会社的“公”
一風景
師承の国
ザヴィエル城の息子
GとF
市場
越と倭
スギ・ヒノキ
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
むーちゃん
119
小説もいいけどエッセーもいいですね。街道をゆくも読み始めました。2019/09/18
ゴンゾウ@新潮部
117
第1巻を読んでから時間があいてしまった。前巻は国の統帥権をはじめとした政治的な思想や国の成り立ちが中心だった。本作はこの国の慣習や世俗・風俗といった庶民の話題が多く取り上げられ読みやすかった。この国のかたちを作ってきた本質をおぼろげでも構わないので感じることができたらいいと思う。2016/10/01
Die-Go
95
再読。日本と言う国の「かたち」を、司馬遼太郎の筆によって読み解く。日本の文化史を紐解いているよう。面白かった。★★★★★2016/03/25
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
88
雑誌「文藝春秋」の巻頭に書き綴ったもの。タイトル通りにこの日本という国を形作る、歴史、文化、宗教、庶民の生活など、幅広い。冒頭の「紋」にしても、それぞれの家に家紋はあるのだが、かつてはそのように利用されていたのだなぁ。「紋付袴」の意味がよくわかった。それにしても、司馬さんの歴史、文化に対する造詣は深い。改めて脱帽です。★★★+2017/08/01
レアル
71
1巻の「大戦」を主として描かれていたものと比べて、こちらは様々な司馬氏視点からみた話が多かった2巻。中でも興味深かった「カッテンディーケ」。我が国日本の国民の国の国防意識はこの時代が基になっているのかも?なんて改めて考えたエッセイ。こういうエッセイを一つひとつを読むと、今まで気にも留めなかった事を考えるきっかけを与えてくれる。土佐の身分制度や砂金など読んでて面白いし、内容は深いがさらっと読めちゃうのも良い。2015/10/28