出版社内容情報
戦争の底知れぬ怖さを、十七歳の少年は見た!
日本の勇者たちの激戦の島で、玉砕の後にいかなる苛酷な戦争が続けられたか。十七歳の少年兵が綴る国宝級の戦争本。NHK放映で話題に。
内容説明
志願兵として玉砕の地・硫黄島で戦い、傷つき、壕の中で生き延びること約三ヵ月。硫黄島で死んだ仲間達を思い続け、六十一年目に初公開する少年兵の心と身体に刻まれた戦争。
目次
第1章 米軍上陸は近い
第2章 情報収集
第3章 米軍上陸
第4章 摺鉢山の日章旗
第5章 砲撃と負傷
第6章 玉名山からの総攻撃
第7章 壕内彷徨
第8章 一瓶のサイダー
第9章 石棺
著者等紹介
秋草鶴次[アキクサツルジ]
昭和2(1927)年、群馬県山田郡矢場川村(現在は栃木県足利市)生まれ。海軍を志願し、横須賀海軍通信学校卒業後、海軍通信兵に。昭和19年7月に硫黄島に派遣される。総攻撃には重傷を負っていたため参加できず、玉砕戦後も三ヵ月間生存して、九死に一生を得る。捕虜となってアメリカ各地を移送され、昭和21年1月に復員。東武鉄道勤務を経て、現在、自営業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
194
硫黄島を巡る過酷な戦闘に驚いた。2015/05/23
mazda
73
あまりにも壮絶な戦いの場であった硫黄島。二度とこのようなことがないように、心の底から願うばかりです。2024/02/18
金吾
54
硫黄島の悲惨な戦闘を経験者が、語っています。壕の中の描写は、真に迫っています。硫黄島を訪れたことがありますが、壕は湿度と温度は凄まじいものがあり数分いるだけでしんどかったと記憶しています。栗林将軍をはじめとして現場の将兵の奮闘はいうまでもないですが、このような状態にした国家中枢こそ教訓を得て学んで欲しいとい思います。2024/01/02
ちゃんみー
52
硫黄島での戦いは戦後70年経った今でもその凄まじさは語られている。まだ10代だった作者が硫黄島で飲むもの食べるものも無い状況で行動していた様子が語られている。いったい先人達は何と戦っていたのだろうかと思わずにはいられないほどの状況だったことが伺えます。はて、自分が今に生きる人として考えれば、すぐさま投降していただろうと思います。皆さんもきっとそうだと思います。やはり生きたいですから。しかし日本軍人としての魂を植え付けられた人達はそうではなかったのですね。2014/09/27
ひらけん
38
「硫黄島の手紙」という映画以上に鬼気迫る物がありました。俳優さんが演じる戦争と実際に体験した戦争の実態は決定的に違う。戦争映画では泣けないけど、実際に体験した人の本はどれも泣いてしまいます。誰もが戦争で人なんか殺したくないし、殺されなくない。外では米軍が待ち構える地下壕で米一粒、水一杯もなく、いつ食べたか、いつ水を飲んだのか記憶もなく、餓死寸前で意識混濁になりながら炭を食べる話には言葉にならなかった。島での体験を綴った大量の原稿の束に戦争で犠牲になった人たちを忘れて欲しくないと無言の訴えのように見えました2019/03/29