内容説明
福沢諭吉は「人の上に人を造る」ことを否定した、児島惟謙が司法の独立を守った、乃木将軍は戦下手だった、日本軍は捕虜になることを禁じていた―これらの「常識」がいかに史実とかけ離れているかを明快に説明した「目からうろこ」の必読書。
目次
福沢諭吉は「人の上に人を造れ」と主張した
統帥権独立は「諸悪の根源」ではなかった
司法の独立を守ったのは児島惟謙ではない
乃木希典は戦下手の将軍ではなかった
明石元二郎の破壊活動は失敗した
日本軍は捕虜になることを禁じていなかった
柳原白蓮は身分制度の犠牲者ではなかった
大正天皇はこのような天皇だった
第一次世界大戦は日本に重要な意味があった
宮中某重大事件は山県有朋の陰謀ではなかった〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みつき
24
資料の引用が中心で、要点だけを簡潔にまとめ、考察がなされています。歴史認識が不十分な軍部、政治に関しては勉強になりました。また柳原白蓮、伊藤野枝を項目に加えていた事は興味深かったです。杉原千畝もそうですが、のちに、政治的策略に利用されたり、当時の先進的な女性として無理にドラマチックに描かれる事には、確かに首を傾げる部分があります。これらの内容を全て鵜呑みにするべきではないのでしょうが、曖昧な認識に対する憤りと、日本人特有のセンチメンタリズムを批判すべく本著を編集したであろうことに、納得、共感できました。 2013/01/22
佐島楓
15
第二次世界大戦の責任の所在に言及した項目が多かったが、真実かどうか見極めるには、この本一冊当たっただけではとても足りないのではないか・・・と思った。2013/08/09
おらひらお
3
2003年初版。著者が5人からなる研究会名義になっていますが、よく意見が統一されたなと思うことができるぐらい多岐にわたる内容でしたね。次回はそれぞれで執筆してもらいたいものです。あと、長岡外史の髭がめちゃくちゃ気になります。また、著者たちが石原莞爾が好きなようです・・・。ちなみにドイツの将兵が戦後にフランス外人部隊に所属し、インドシナに派遣されていることは全く知りませんでした。2013/05/11
まっしゅ
2
海軍・陸軍の話と日本国憲法制定の話が面白かった。
結城あすか
2
どうでも良いけど、柳原白蓮とか伊藤野枝とか言うのはこの本で初めて知った名前だけど、わざわざ項目立てて話題にするほど有名人なのかにょ? 「身分制度の犠牲者」とか「新しい女」とか書いてるところをみたら、政治史や文化史とは関係なく、世相史の範疇の人物だとは思うけどにょ。2004/02/04