内容説明
その年、日本は激しく揺れた。信念に殉じた男たちの二つの物語。幻の作品『危機の宰相』を収録。
目次
危機の宰相
テロルの決算
未完の六月―ナイン・メモリーズ7
著者等紹介
沢木耕太郎[サワキコウタロウ]
1947(昭和22)年に東京で生まれる。70年に横浜国立大学経済学部を卒業。入社した会社を一日で退社したあと、若い自衛官たちの実像を鮮やかに描いた処女作「防人のブルース」でいきなりフリーランスのライターとしてデビューし、注目をあびる。以後、ジャンルとして確立していなかったノンフィクションの世界で、テーマやスタイルにおいて絶えず先駆的な実験と冒険を試みつつ、ノンフィクションの新たな可能性を拡げる数々の傑作を世に送りだし、多くの読者を魅了しつづけている。79年に『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、82年に『一瞬の夏』で新田次郎文学賞、85年に『バーボン・ストリート』で講談社エッセイ賞、93年『深夜特急第三便』でJTB紀行文学大賞、2003年に菊池寛賞などを受賞した
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感想・レビュー
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gkmond
1
池田勇人、下村治、田村敏雄を中心に据えた『危機の宰相』、浅沼刺殺事件を扱った『テロルの決算』収録してるんだけど、特に後者は出典がよくわからず、山口二矢の発言するどっから引っ張ってるの? と首を傾げつつよんだ。朴訥な負け犬に共感するんですよって見せ方も素材が政治になると苦しいな。優秀なスポーツライターなんだと改めて思った。『一瞬の夏』とか輪島に取材したのとか面白かったんだよねえ。2024/01/31
ふ
1
○2022/11/27
Kuliyama
1
どちらも以前文庫で拝読して、今回再読でした。2018/10/20
siroutak
0
テロルの決算 山口二矢の純粋さや父親の考え方、何一つ間違ってないし、どこにでもある親子なのに結果的に事件を起こしてしまい、父親は糾弾される。この世の濁流の中で一瞬垣間見える真空のような時間、間をおいてその後ものすごい渦が巻いて流れる感じ・・何度読んでも僕を捉えて離しません。2012/10/31
庵
0
ノンフィクション作家沢木耕太郎の真髄作品。名作「危機の宰相」と「テロルの決算」が収録されてる豪華本。ややこしい言い回しなどは無い、ただ没頭するのみ。2011/04/04