内容説明
9年ぶりの復活! 新たな伝説の始まりです。闇を愛する皆様。闇のなかで強く燦めく「想像の力」を信じる皆様。怪奇と恐怖、幻想と驚異、人外の唯美……。言葉の力で現実を越えようとする小説の作者と読者の皆々様。そして、なによりも……異形の短篇小説を愛してくださる皆様。お待たせいたしました。49冊目の《異形コレクション》をお届けします。(編集序文より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっちゃん
153
一瞬で心奪われる、このおぞましくも麗しい表紙。幻想的、という共通点はありながらもバラエティーに富んだアンソロジー。が、私の貧弱な想像力と読解力では「???」となる作品も実はあった。その中で自分的なツートップはあの「夕鶴」をモチーフに山奥の閉ざされた村に迷いこんだ男が味わう快楽と恐怖、梨木理宇『夕鶴の郷』と、行きずりのバーで出会った男が持つ「呪われた匣」の本当の呪いとは?黒木あるじ『ルボワットの匣』その予想もしなかった真相にあっと驚いた次の瞬間、ぞくり、と鳥肌が立った。2021/05/29
KAZOO
118
昔読んでいてしばらく途切れていたと思ったのですがまた新しく続きの本が出されたのですね。最近の作者さんはあまり知らないのですが、加門さん、篠田さん、澤村さん、菊池さんがいらっしゃって楽しめました。昔読んでいた頃よりも暗さやじめっとした感じが少なくなっている気がします。2021/03/10
H!deking
103
いやー、めちゃくちゃ面白かった!平山夢明の書き下ろし新作目当てで買ったけど、いやいやどれもこれも素敵なおはなしばっかりでした。アンソロジーって当たり外れというか、良くても半分くらい読めれば良いかなってくらいの多いけど、これはやばいです。全部面白い!これだから読書はやめられませんね!(笑)2021/04/26
sin
76
先ずは“異形”の再出発にエールを!櫛木・『夕鶴』の変質、伝記ホラー。黒木・着想は良いがソコへ持って行こうとする展開がわざとらしい。篠田・海神の未亡人?澤村・恐怖の創造。牧野・語られない設定の深さを感じる。伴名・義経=チンギス説の新解釈。図子・只の猫好きモノに陥らない。坊木・異質の物語。荒居・スタイルのみ。真藤・結局連動しないの?平山・後半のご都合は落ちへの見事な伏線。上田・時空を越えた我が儘。加門・ダークファンタシー。菊地・わざわざ頭文字で…井上・モードはお経の様に横滑りするが“異形”開幕の辞として歓迎!2020/11/16
HANA
69
異形コレクション、一巻が出てからもう23年にもなるのか。当時は新刊が出るのを待ちかねて買っていたものです。あれから幾星霜、昔懐かしい顔もいれば新しい顔もいるが、読みながら懐かしい気分になるのはそのテーマ性ゆえかな。ニューフェイスだと櫛木理宇が小松左京の某短編を思わせる嫌さを発揮しているし、澤村伊智は『女優霊』の湿気を思わせる作品で満足。昔からの常連では平山夢明が最後で読者をどん底に突き落としてくれるし、篠田真由美は相変わらず絢爛。しばらくぶりに読むのですが、当時からの熱量は変わらず安心して読めました。2021/03/09