内容説明
天才数学者の生涯をめぐるエピソードと、彼らが生み出した数々のアイデアがいかに彫琢されたかをたどるユニークな数学史もいよいよ佳境へ。2巻には「数学の王」ガウスを初めとする、近代数学に磨きをかけ、数学の可能性を格段に広げた巨匠たちが登場。また夭折した二人の天才―貧困に苦しんだアーベルや、切れすぎる頭脳ゆえに決闘という愚行へ追い込まれて死んだガロアの生涯などを紹介する。
目次
13 栄光の日―ポンスレ
14 数学界の王者―ガウス
15 数学と風車―コーシー
16 幾何学のコペルニクス―ロバチェフスキー
17 貧困の天才―アーベル
18 偉大なアルゴリスト―ヤコービ
19 アイルランド人の悲劇―ハミルトン
20 天才と狂気―ガロア
21 不変の双子―ケイリーとシルベスタ
著者等紹介
ベル,E.T.[ベル,E.T.][Bell,Eric Temple]
1883年、スコットランドのアバディーンに生まれる。アメリカに移住後、全米数学者協会会長や全米科学振興協会の副会長などを歴任、各種数学専門誌の編集委員もつとめる。1960年死去
田中勇[タナカイサム]
1930年生。法政大学大学院博士課程修了
銀林浩[ギンバヤシコウ]
1927年生。東京大学理学部数学科卒。明治大学名誉教授
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感想・レビュー
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LUNE MER
17
18世紀末〜19世紀初期の古典数学と現代数学の狭間くらいの時期で、この時代の数学って絵画鑑賞みたいな気分で接しても最高の雰囲気。やはりガロアの存在が自分の中では最も大きい。2022/09/27
fseigojp
6
ここまでは何とかついていけた フーリエ変換のフーリエさんがプロの数学者でなかったとは意外2015/07/09
roughfractus02
4
19世紀射影幾何学の幕を開いたポンスレから、ガウス、コーシーを経てハイゼンベルクを用意するケイリーとシルベスタの行列の探究までを読むと、著者の純粋数学寄りの選択とそれらに献身した人々への感情移入的な記述に気づく。アーベルやガロアやハミルトンの記述がどこか英雄の悲劇に見えるのもそのためだろう。が、他分野へ橋渡しする応用数学が19世紀数学を活気づけたエピソードは、ガウスの「観察」やロバチェフスキーの「実証」、フーリエの熱伝導に関して楕円関数に時間を浪費したとアーベルとヤーコビに対する非難の記述にも見てとれる。2017/12/22
Z
3
数学者って血も涙もないやつら、かと中学生くらいのとき思ってたが(ごめんなさい)、小説のようなドラマに満ちた数学者の人生が語られ、このシリーズ読んでて楽しい。問題は、数学的な話をもっと詳しくしてほしいのに、ここで詳述する余裕はないと、してくれないこと。自分で動いて、解決しよう。2015/04/16
konomichi
2
数学の中身は全くついていけないが、数多の数学者たちの伝記として読むと面白い。2025/01/26